A thought is your internal dialogue.(思考は、じぶんの内なる対話)
ふだん、私たちは、心の中でじぶんに語りかけています。
気がついていなくても、じぶんに関する様々なストーリーをつくっています。
思考をつくる柱は、Self-talk(内なることば)です。(*注1)
その中には、様々なことばが含まれています。
心の状態に影響するのは:
・ポジティブなことば(できる、大丈夫、やってみよう、など)
・ネガティブなことば(できない、ダメ、ムリ、やらない、など)
ネガティブなことばを、ポジティブに変えられたらよいのですが、実はそれ以前に、またそれ以上に大切なことばがあります。
それは、ニュートラルなことばです。
じぶんの心の状態に気づくために、「いま、じぶんは〇〇なのかも」と言ってみる。
飾らない、構えない、考えすぎない、そのままのことば。
You are not your thought.(じぶんは「自分の思考」ではない)
アストン・サンダーソンさんは「Self-Talk」の本来の力について、こう言います。
「ネガティブ思考を退治して、ポジティブ思考に変えよ、じぶんに言い聞かせて、といった啓発が盛んですね。でも、知らないうちに、すでに身についてしまっている様々な思考パターンを急に変えることはできません。ポジティブにできるのはよいことですが、無理にゴールを設定して、がんばろうとする逆効果にもなりかねません。本当でないものをいくら信じようとしても、どこかで破綻してしまうから。いきなり変えようとするのではなく、ネガティブなことばをつくっている状態に気づくことからです。」
そもそも、ネガティブな思考になっているかどうか、じぶんではわからないものです。
私たちには、「決めつけてしまう」習性がある、ということだけ、時々気をつけることができれば、建設的なステップができます。
どんな手立てがありますか?
端的に言うと、こういうことです。
Be your inner friend.(じぶん自身の内なる友になれ)
Be a friend to your inner self.(内なるじぶんの友になれ)
やさしいことばをかけることです。
じぶんに声をかけること、それだけで変わります。
じぶんの思考パターンが、じぶんになってしまっている時、
じぶんのことばとの間にほどよい距離をつくりだすことが、じぶんに気づく方法。
じぶんに聞いてみるだけで、変わります。
たとえば:
・その気持ちはどこから来たの?
・さかさまに考えてみたらどうなる?
No rain, no rainbow.(雨のおかげで、虹が見える)
「あー、また雨か」の他に、いろんな言い方ができますよね。
じぶんの心にむけても、ひとこと、ちがうことばをかけてあげましょう。
じぶんに気づくためには、じぶんを気づかうことです。
出典・参照:Aston Sanderson『Self Talk』、プラトン『テアイテトス』、以下のエンパレットなど
(*注1)内なることばは、内語、内的発話、Inner speech、 Inner voice など、たくさんの呼び名があります。詳しくは、エンパレットの「インナースピーチ」シリーズをごらんください。