
Use your empathy.(共感のチカラを使おう)
イマニュエル・カントは、こう言いました。
物事が「ありのまま」に入ってきて、それが認識されるのではない。
認識以前に、時間・空間という形式が先にある。
つまり、すでにあるフレームワークにあてはめて、物事を認識しているのだ、と。
「見方を変えよ」とよく言われます。
それは、じぶんが使っているフレームワークを変えることです。
問題はそもそも、現在使っているフレームワークが何か、わからないことです。
無意識につかっているじぶんのフレームワークにどうしたら気づけるのでしょうか?
そこで、こんな実験をしてみましょう。
(1) 目の前に、ひとさし指を上向きに出してみてください。
(2) すこし上からのぞくようなかんじで、左向きに(反時計回りに)くるくると回します。
(3) 次に、くるくる回しながら、天にむかって持ち上げていきます。
(4) らせん階段みたいですね。回転はとめないでください。
(5) 手が頭の上まできましたか?下からのぞくかんじです。
(6) いま、指はどちら向きに回っていますか?
(7) 右回転ですね?時計回りです。

あれ?いつの間に、反対向きになったのでしょう?
くるくる回す指には、何の変化もありませんでした。
どこから見たかで、反対になってしまいました。
つまり、見る形式にしたがって、対象の「認識」が変化したのです。
なんだ、上から見るか、下から見るかのちがいか。
そうです。でも、そのことに気付きにくいのです。
私たちは、人間固有の認識形式を持っています。それは、体験と想像の働きによって、自然に身につけたもの。
時間と空間もまた、固有のものさし、フレームワークなのです。
アメンボ、スイスイ。
上からながめれば、右、左に動いているように見えるでしょう。
でも、アメンボの身になってみると、ぜんぜん、ちがいますよね。
スイスイと感じられるのは、人間に備わった共感の力。
共感は、相手の身になろうとする、想像的なふるまい。
頭で自分のことを考えるのではなく、相手の身になろうとする心が、視点を変えてくれるのです。
うーん。まだ、何か腑に落ちない、ですね?
左右反転しちゃうらしいが、じゃ、それはなぜ?
なぜ、じぶんはそのことに気づかないの?
もう一歩踏み込んでみます。次回をお楽しみに。
作(文・挿絵・声にすることば):坂口立考
出典・参照:イマニュエル・カント『純粋理性批判』 、坂口立考『毎プラガイド』、以下のエンパレットノート
