Empathemian, Limhamn, Sweden

マルセル・プルーストのことばに、こうあります。

真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。

よく、「見方を変えよ」などと言われます。
どうしたら、見方が変わるのでしょうか?

ライプニッツは、こう言います。
同じ町でも異なった方角から眺めると、まったく別な町に見えるから、ちょうど見晴らしの数だけ町があるようなものである。

ちがう場所から眺める。ちがう時間に眺める。
見方を変えようとするのではなく、見え方が変わるように、じぶんをしむけることです。

頭で考えはじめないで、橋の向こう側でもいい、山の上でもいい、ちがって見える所にいくことです。

実は、もっと身近なところがあります。それはじぶんと相手です。相手の身になってじぶんを見ることです。
「相手の立場で物事を考える」ことではありません。
自分の立場や考えのまま、相手の立場になっては何もかわりません。
「自分のことは忘れて」相手の身になることです。

相手は人間でなく、手元の花でも虫でも、目の前の果物でも、茶碗でもよいのです。
そうです、そのように、ふるまうことです。そのつもりになって、演じることです。そうすれば、自然に、見え方が変わります。

一歩近づいてごらん。ちがって見えるから。
耳を澄ましてごらん。ちがって聞こえるから。
手にふれてごらん。ちがって感じられるから。


出典:マルセル・プルースト『失われた時を探して』、ゴットフリート・ライプニッツ『モナドロジー』