
Breathe out.(息を吐いて)
なぜかわからないけれど、心が落ち着かない、複雑な気持ち。
そんな時、この絵は、すこし気持ちを和らげてくれるかもしれません。
一匹のアリが砂地を歩く様子です。
アリが歩いた軌跡を描くと、こんなふうに見えるでしょう。
複雑ですね。
ハーバート・サイモンはこう言いました。
「砂浜上のアリの軌跡は、砂浜表面の複雑さであって、アリの内面の複雑さではない。
複雑にみえる行動も大体のところ、人間が置かれている環境の複雑さを映し出している。」
「サイモンのアリ」の環境を、絵にしてみましょう。

It’s not the mind that’s complex, but the environment. (複雑なのは、じぶんの内面ではなく、じぶんの環境である)
どうでしょうか?
アリは、わざわざ複雑に歩いているのではありません。
自然の路にそって歩いているだけなのです。
私たちは、ふだん、こんなふうに思っています。
身体の中に心があり、その心が複雑になっている、と。
そして、原因を自分の中に求めたりします。
でも、複雑な心の原因は、よくわかりません。
それは「サイモンのアリ」の絵とおなじです。
じぶんの周りの環境が複雑だからなのです。
私たちの心は、それを自然に反映しているのです。
ちゃんと感じていて、心に映し出しているということなのですね。
こんなふうに言えるかもしれません。
いろんな要因が絡まり、それを写している心がある。
そこまではよいとしても、そこから先、原因をひとつ、心の中に探ろうとして、話をもっと複雑にしている、と。
心は、世界を写す鏡。
ふだん私たちは、鏡の中にだけ、原因を探そうとしているかもしれません。
Just keep going.(そのまま、つづけて)
さて、サイモンのアリはどうなるでしょう?
そのままずっと、歩いてゆきます。
この複雑な場所を、何もなかったかのように、抜け出ることでしょう。
身のまわりの環境は、じぶんと無関係にあるわけではありません。
じぶんとまわりの空気は、常にいっしょです。
その意味で、私たちは、いわば、「じぶん環境」を生きている。
いえ、じぶん環境そのものなのです。
何か、複雑だな、と思うことがあったら、ぜひ、サイモンのアリの絵を思い出してください。
物事が複雑になってきたら、じぶん環境の風通しをよくしたり、空気をやわらげましょう。
どうやって?
まずは、余計な入力を減らすことです。
静かに、すわるだけで、ひと息吐くだけで、変わります。
Be calm.(おちついて)
出典・参照:ハーバート・サイモン『システムの科学』、英語耳°トレイル® (44) Walk through. 以下のエンパレットなど
