Empathemian『疾風勁草』

Be flexible. Be resilient.(しなやかに、おれないように)

強い風が吹いても、折れない強い草。

疾風しっぷう勁草けいそう

風がなければ、強いか弱いかもわかりません。
風が吹いて、はじめて、証ができます。

辞書には、こうあります。
「苦難にあってはじめて、その人の意志の強さがわかる。苦難が訪れた時のはげましのことば」(*注1)

ことばの響きがいいですね。

しかし、考えてみると、ほとんどの草木は、疾風勁草です。
風が吹いたぐらいでは何ともありません。

雑草を見てください。
本当は、「雑草」などという草はないのですが、目につかない、小さな草のこと。
どこにでもいます。

草木は、風に抵抗してガマンしているイメージではありませんね。

風が吹いた時に、身体をしなやかにさせています。
風の流れに身を委ねていっしょに揺れています。

風を止めることはできません。
何かを克服するということは、折れないようにすることです。

折れないとは、じぶんではできないことに、立ち向かうことでありません。
じぶんでできることに目を向けることです。
そして、楽にできるようにしむけること、そこへみちびくことです。

Empathemian, Fremont Older Open Preserve

Don’t fight with yourself.(じぶんの気分は敵ではない)

プラクティスの持続も、おなじです。

「時間がない!」という気持ちを自分でつくりだして、それに抵抗せずに。
「時間は時々ある」という気持ちにゆだねましょう。

わたしたちは、時々、ちがう方を見ているようです。
できないことに目をむけるのではなく、できることに目をむけることです。
時々、思い出してみてください。

じぶんの気分は、戦う相手ではないのですから。
そう、植物のしなやかな姿のイメージです!

ところで、植物のしなやかな生きざまには、見えない力に対する工夫があります。
それは、植物がつねに、紫外線を浴び続けているということです。
こちらは、風の比ではありません。

田中修さんは言います。

「なぜ、植物のからだの中に、ビタミンCやビタミンEが多く含まれているのか、と考えることは、あまりありません。
これらの物質は、植物たちにとって、紫外線にあたることによって発生する活性酸素の害を防ぐために必要なのです。
植物たちは、自分のからだに当たる紫外線の害を消すために、これらのビタミンをつくっているのです。」(*補1)

見えない力に対して、工夫をすること。

人間は、物質的なビタミンはつくりだせません。
でも、心のビタミン(ことば)で、気分や思いをつくることができます。

ささやかなことばでよいのです。
じぶんに語りかけるひと言が、ビタミンのように、少量でも効いてくるはずです。
ことばのタネ(Seed)が、育っていきます。

疾風勁草 ② (プラクティス自体が精神の力)へ

心の免疫力をつけるには?

思いのタネをまく(4)手入れをすると、タネが芽生える。

じっとする、を学ぶ。

出典・参照:田中修『植物はすごい』、『雑草のはなし』

(*注1)『後漢書―王覇伝』故事

(*補1)紫外線は体内に活性酸素をつくります。ガンの元として知られます。このため、その害を消し去ってくれる抗酸化物質の摂取(ビタミン)が必要となります。が、人間はじぶんの体でビタミンをつくれません。したがって、ビタミンを含んだ野菜や果物をとるわけです。植物はそれをじぶんで行っているわけですね。

雑草