The best way to predict the future is to invent it.(未来を予測する最善の方法は、それを創り出すこと)
コップの水に浮かぶ一個の染料分子。
この分子の動きは、酔っ払いの千鳥足のようなジグザグ経路をたどります。
液体や気体中に浮遊する微粒子が不規則に運動する現象、ブラウン運動。
アインシュタイン博士が分子の不規則な運動を解明したことで知られます。
分子の動きを正確に予測することはできません。
レナード・ムロディナウさんは、こう言います。
「その染料分子と相互作用する可能性のある水分子の数を予測しようとすると?想像できないほどの、とてつもない数の計算が必要になる。一方、なぜそうなったのかは、後から明瞭に説明できる。」
後からふりかえると、明白なように見えることでも、前もって予言することはできない。
Keep marching forward.(前を向いて歩き続けること)
の:ねぇ、ドラえもん。予測できないって。どういう意味?
ド:偶然、たまたま、不規則に起きることでできている。
の:ぼくは千鳥足で歩いてないけど。(*注1)
ド:そう。ランダムなこともあれば、ランダムでないこともあるよ。
の:ランダムって何?
ド:あ、不規則に起きること。たまたま起きることとか。
の:なるようにしかならないってことなの?
ド:うーん。のびちゃんが、どのように捉えたいか次第だよ。
の:ぼくの未来は。。
ド:未来は決まっていないってこと。
の:あ、そうか。そう思ったほうがいいね。
ド:それからさ、正確に予測できないと言っても、視点を変えれば話も変わる。
の:正確じゃなくても大体わかるってことね。
ド:不規則に起きることには、予測する方法があるよ。
の:あれ?予測できないことなのに、予測できるの?
ド:絶対にこうなるとは言えなくても、確率的にこうなるとは言えること。
の:あぁ、コイン投げる話だね?裏か表かは、最後は50%って。
ド:どちらかの方がたくさん出る。でも、長く試している間に半々に近づいていく。
の:それは自然の法則なの?
ド:そう。確率的っていうのは、自然の理に委ねた場合ってこと。
ド:なるようになるってことだよ。じぶんで決めつけないでいいんだよ。
It’s the number of chance taken.(思い切ってやってみる数)
It’s the number of opportunities seized.(機会をつくる数)
の:でもさぁ、確率的に決まっちゃってる、っていうふうに聞こえるよ。ぼくの未来も。
ド:自然の理では、決まってないよ。確率は変わるから。(*注2)
の:そうなの?!
ド:でも、のびちゃんが勝手に決めちゃわなければね。
の:なるようになるってのは、いいことなんだね。
ド:もちろん。トライするたびに、何かが変わってくるよ。
の:何をトライするの?
ド:のびちゃんが、大切に思うこととか信じることとか。
の:偶然なことがたくさん起きることがあるのに?
ド:偶然なことがたくさん起きるからこそ、だよ。
の:やってみなければわからないってことなんだね。
ド:そのとおり。
の:ランダムさん、ありがとう。
ド:のびちゃん、ひとつだけいい?
の:何?
ド:「くりかえし続けてやっている」とランダムさんも味方してくれるんだよ。
の:そうなんだね!気づかないうちに、無理に考えてたみたい。
ド:ランダムさんというか、チャンスさん、トライさん。
Take a chance.(チャンスとは、無作為・ランダムのこと)
If you want to succeed, double your failure rate.(成功したければ、失敗の割合を倍にせよ)
Fun to Imagine (4)水のネットワーク① [見えないものを実感する方法]
出典・参照: Leonard Mlodinow 『The Drunkard’s Walk – How Randomness Rules Our Lives』 (邦訳「たまたま」)
(*注1)ランダムウォーク
(*注2)同書には、わずかひとつの情報をうるだけで確率が変わる実例が紹介されています。