Empathemian 『A Roundabout』

Go Counter-clockwise.(反時計回りにやってみる)

マインドフルネスは、心身の健康の秘訣。
心理学者のエレン・ランガーさんは、こう言います。

「何ができないかではなく、何ができるかに心をひらくこと。
いくつになっても健康でいられる秘訣は、マインドレスなじぶんに気づく工夫をすることです。
マインドレスは、マインドフルの反対。慣れきってしまい気づかない状態。」

「日常生活にちょっとした変化を加えることで、変わります。
慣れきっている行動に積極的に挑戦する方法があるのです。」

エレンさんは、こんな実験をしました。
高齢者が20年前に「時計を巻き戻して」生活してみるとどうなるか?
心と身体はひとつ。心の活性化が身体機能も活性化させ、実際に視力や記憶といった機能も改善することがわかったのです。」

いちばんシンプルな方法は、反対向きに考えること。
いえ、実際に反対に回ってみることです。
素材・題材は、日常にあふれています。
時計回り(右回り)と反時計回り(左回り)をテーマにしてみましょう。

のび太:ねぇ、ドラえもん。
ドラえもん:何?
の:アメリカでは右側通行なんでしょ?
ド:車のこと?そうだよ。
の:日本は左側。
ド:右側の国の方が多いね。
の:左側の国もあるんでしょ?
ド:イギリスやオーストラリアは日本とおなじ。
の:それ以外は?
ド:世界的には右側通行のほうが多いね。
の:なんでちがうの?
ド:長い歴史でそうなったんだよ。
の:歴史ね。
ド:それは文化の違いから。

の:ふーん。何がはじまりだったのかなぁ?
ド:それは回り方と関係あるんだろうね。
の:回り方?
ド:そう。右回りとか左回りとか。
の:たとえば?
ド:陸上のトラックは左回り。
の:あーそうだね。
ド:野球やレース競技。
の:ふーん。
ド:キリスト教やイスラム教の寺院も参拝は左回り。
の:へぇーそうなんだ。日本は右回り?
ド:とは決まっていないみたい。両方あるから。

の:車はどっち回り?
ド:ラウンドアバウト知っているでしょ?
の:車がぐるっと回るロータリーのこと?
ド:そうそう。ヨーロッパやアメリカは、左回り。
の:日本は右回りだね。
ド:左回りの国は車は右側を走るのが自然。
の:なんでだっけ?
ド:右側なら右側から入ってぐるりと回る。左に行こうとするとぶつかっちゃうよ。
の:なるほど。日本では車は左側にいるから左折して右回りか。
ド:そういうこと。

の:でもさ、なんでそもそも回り方がちがうんだろうね。
ド:時計は右回りだよね。
の:うん。
ド:起源は日時計。太陽の影。
の:それが右回り。じゃ、左に回るのは?
ド:天体。
の:星か。
ド:北極星を中心に左回りに回っているように見える。
の:そうだね。
ド:地球の自転と反対方向に。

の:地球ってどちら向きに回っているの?
ド:北極星の方からみれば左回り。
の:あれ?こんがらがっちゃった。
ド:天井に指をむけてくるくる回してみるとわかるよ。
の:くるくるやると。。
ド:手をだんだんをあげると
の:あれ、反対向きになっちゃった。(*注1)
ド:下からのぞけば、右回り。
の:そうか。だから、えーと、星は左回りに見えるのか。
ド:だから、南半球は北半球の反対。
の:そうだよね、さかさまに立っているみたいなものだから。

ものの見方を転換させる。
文化・社会習慣になっていること、慣れていることには気づきにくいもの。
外国と比べると気づくことがたくさんあります。(*注2)

出典・参照:Ellen Langer『Counterclock and the power of possibility』

(*注1)アメンボで想像のプラクティス②をごらんください。

(*注2)左回り・左巻き、右回り・右巻きの事例:

・北半球の台風は、左巻き(コリオリの力)
・XY座標軸は、角度を左回りに大きくなる。象限は左回り
・ろくろの回し方(アメリカ、ヨーロッパは左回り、日本の多くは右回り)
・スケートのスピン(左が正、右が反対回り)
・ダンスは、左回りをLine of Dance (進行方向)
・アサガオの蔓のような「らせん」は、下からのぞいた時に右巻き、上からのぞけば左巻き
・ほとんどの貝も右巻き。下らから上に見るもの。(上からみれば左巻き)
・ネジやボトルのふたは、右に回すと閉まり、左に回すと開く

見え方を変えるには?

つみへらせ!

円と三角とカタツムリ [声をカタチに変換するフィルター]

巻貝の説明(Wikipedia)