Empathemian『B.Franklin the Practitioner』

アメリカ合衆国の建国の父のひとり、ベンジャミン・フランクリン。

フランクリンは、独立宣言、合衆国憲法の草稿にも関わった政治家であり、外交官であり、事業家でした。
また、科学者であり、著述家であり、発明家でもありました。
避雷針の発明、遠近両用めがねなどの発明はもとより、多くのものを考案し、それらを社会に活かした慈善事業に注力した人として知られます。

新渡戸稲造が5千円札の顔として知られるように、フランクリンは、アメリカの100ドル札の顔でおなじみですが、新渡戸稲造と同じように、フランクリンは何よりも「修養の人」として知られます。

フランクリンは、みずからの創意工夫を修養に生かしました。こんなツールをつくったのです。

Empathemian 『Benjamin Franklin’s Practicing Tool』

13の徳目 x 7日のマス目をもった一覧表。毎日のじぶんの行動をふりかえり、チェックリストに印をつけていくのです。

フランクリンの掲げる13の徳目とは?

1. Temperance(節制): 食べ過ぎない
2. Silence(沈黙): 人のため、じぶんのためにならないことは言わない
3. Order (規律):身のまわりを片付ける。仕事は時間を決めて行う。
4. Resolution(決断): すべきことはやろうと決意する。決意したことは必ずやりとげる
5. Frugality(節約): 他人や自分に役立つことのみお金を使う。無駄使いをしない。
6. Industry(勤勉): 時間を無駄にしない。無益な行動をすべてやめる
7. Sincerity(誠実): 人をだまさない。清く正しいことばをつかう
8. Justice(正義): 自分の義務をおこたらない。他人に害を与えない。
9. Moderation(中庸): 何事も極端にならないようにバランスをとる
10. Cleanness(清潔): 身体、衣服、住居、を不潔にしない
11. Tranquility(冷静): つまらないこと、ありがちなことに心をとりみださない 
12. Chastity(純潔): 自分や他人の平和な生活を乱さない
13. Humility(謙虚):つつしむイエスとソクラテスにならう

徳目というと、どんなよいことをしたかを記していくように聞こえますが、フランクリンの考えは逆です。この13項目に照らして、何をしなかった、何ができなかったか、をふりかえるのです。

「私は思ったよりずっと困難な仕事に手をつけたことに気がついた。何かある過ちに陥らぬように用心していると、思いもよらず、他の過ちを犯すことがよくあったし、うっかりしていると習慣がつけこんで来るし、性癖のほうが強くて理性では抑えつけられないこともちょくちょくある始末だった。」

「そこで私はとうとう次のような結論に達した。完全に道徳を守ることは、同時に自分の利益でもあるというような、単に理論上の信念だけでは過失を防ぐことはとうていできない。確実に、不変に、つねに正道を踏んで違わぬという自信を少しでもうるためには、まずそれに反する習慣を打破し、良い習慣を作ってこれをしっかり身につけねばならないというのである。」

すべてを完璧にしようとするのではありません。フランクリンは、2週間ごとに、課題とする徳目を選び、毎晩、それに反する行為がなかったかをふりかえりました。そして、「うまくできなかったこと」を印にして数える。それがフランクリンの修養ツールです。

フランクリンとおなじように、いきなりこれらの徳目に挑むのはたいへんです。まず、シンプルに具体的な行為を最小限にかみ砕いて、ふりかえることが大切です。エンパシーム・メソッドは、静穏のひと時をつくり、じぶんをふりかえって、声に残し、それをたどることで、フランクリンの修養に近づくツールになります。

Count your actions.(じぶんのふるまいを、数える)

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出典・参照:The Autobiography of Benjamin Franklin、ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』

ベンジャミン・フランクリン