アルバート・アインシュタインのことば、E=MC^2
数式に使われる等価記号「=」は、「イコール」と呼び、何かと何かを結びつける役割を果たします。このことばが、何を意味しているかといえば、「物質とエネルギー」は「光が進む速さ」の二乗に比例して「入れかえ」ができるということです。
と聞いて、「あー、科学の説明ね」とやりすごさずに、アインシュタイン博士の「声ことば」を受け取ってみましょう。物質は「もの」、エネルギーは「こと」だとして、それらは一見別々の、ちがうものだと思っていたふたつの物事が、実は入れ替え可能な「ひとつのおなじ物事」として結びつけられるよ、と語っているのです。
物質もエネルギーも、人間が自然から学んでつくりだした「概念」です。このことば以前は、物質とエネルギーは、それぞれ、別々の概念として捉えられてきたことが、実は「ひとつの大きな概念」の別々の表現だったということに「気がついたよ」とアインシュタイン博士は言ったのです。そう思うと、親しみがわきます。
数式の「=」は、右側と左側がまったく同じ物事を結ぶのではありません。それでは無意味です。違って見えるものが、実はひとつのことの、別々の見え方だということに気づくこと、確かめることなのです。
物事を結びつける想像の働き。ここにも、共感的な働きがあります。アインシュタイン博士も、人間に備わった物事に共感する力を養い、それを自然宇宙とのふれあいの中に、ひらめかせたのですね。
共感は、ちがって見えるふたつの物事を結びつける力
Empathy connects you with others.
出典・参照:アインシュタイン、インフェルト『物理学はいかにして創られたか』