
You only understand something relative to what you already understand.(すでにわかっていることに関連づけたことしか、理解できない)
リチャード・ワーマンさんは、こう言います。
「いきない、何かを理解するこはできない。じぶんと結びつけてはじめて、わかる。」
いくら情報があっても、情報自体は、何も言ってくれません。
じぶんでつながりをつけないかぎり、情報にはならないのです。
人に何かを教わるにも、じぶんがすでに知っていることに関連づけないと理解できない。
新しいことは、下地になるものがないと急にはわからない、ということです。
人はみな、誰しも、それぞれ、ちがう下地、ちがう枠組み、固有の下地をもっています。
したがって、「教える」ことと「学んで・わかる」ことは、実は土台がちがうことなのです。
「わかる」という感覚は、じぶん自身とつながりがつくこと。
関連づけ、結びつきができるということです。
英語のUnderstandということばは、もともと「対象の物事の、相手の、下に立つ」です。
「相手の身になるように関わる」という意味でした。
ワーマンさんはいいます。
「1エーカーという広さがどれぐらいだといっても、ピンとこないだろう。
アメリカンフットボールフィールドのサイズだといえば想像がつく。」
もちろん、日本なら、野球場のサイズといわないと、ピンと来ないのも、同じ理由からです。
身に覚えのないこと、つまり、体験記憶のないことをわかろうとするには、想像力がいります。
想像するには、何か比べられるもの(レファレンス)が必要です。
たとえば、円という概念は、手で円を描いた体験があるから、かんたんに想像できます。
だれにでもほぼ共通のイメージがあるからです。
サイエンスの分野では、そのようなイメージのことを認知スキーマと呼びます。
人の体験の記憶によって結びつけるイメージはまったくおなじではなくとも、共通の型があります。
エンパシームを使った「英語耳°トレイル」では、静かにすわって「演じる」プラクティスがあります。
色のついたビーズ玉の中に、あなたの声の粒が視覚化されます。
視覚と聴覚でフィードバックを得ることで、体験が感覚としてなじみ、無意識に定着します。
そして、こうした繰り返しのプラクティス体験が、他者とも共有可能な認知スキーマ(共通のイメージの型)を育て、プラクティスの質を自然に引き上げていきます。
出典・参照:Richard Wurman 『Information Anxiety』、リチャード・ワーマン『それは情報ではない』、以下のエンパレットなど
TED創設者であるRichard Wurmanさんのインタビュービデオから