
ヒューマンということばをご存知ですか。
ひと、人間という意味ですね。
鷲田清一さんによると、英語のヒューマン (human)という語は、フムスhumusという、地面とか腐食土を意味するラテン語からきているそうです。
「人間はこの地上の被造物であるということでヒューマニティ (humanity)と呼ばれる。
よく似た単語に、ヒューミリティ (humility)がある。謙虚さという意味。実は、これもhumusを語源としている。」
もともと、「地面」に近いことば、ヒューマン。
宇宙・大自然と人間の存在。
私たちは、物事を上からの目線で見る必要はなかったのですね。
humbleということばは「謙虚」という意味。もったいない、ありがたい気持ちになるのは、ヒューマンならではのこと。
私たちは、human being、ヒューマンな存在なのですから。
謙虚なヒューマンとしての、じぶん。それならば、物事を素直に、わけへだてなく、受け入れられそうです。
「じぶん」を土壌に見立てて、手入れをする。
ヒューマンなじぶんに、ぴったりなイメージではないでしょうか。
素直なふるまい、やさしい声。
毎日、手入れをする。
ひとに寄りそい、手をさしのべる。
We are only human.
Serve humanity.(人の心に捧ぐ)
「そのように、声に出して言う。[ソクラテスが本当に言ったことは?]」
出典・参照::鷲田清一『「聴く」ことの力』