
Words begin in voice. (ことばは、声から始まる)
英語の音が聞き取れないのは、耳だけの問題ではありません。
じぶんでまねて声にできない音は、その音のまま捉えることができません。聞き取ることと、声にして再現することは、切り離せないのです。
⚫︎ 日本語の脳と身体で英語を聞いている
私たちは、生まれてこのかた、日本語の音とリズムを聞き、それを声にして、脳と身体をつくってきました。日本語の音を捉える処理も、その音をつくる発話運動も、すでに自動化されています。
英語を聞くときにも、この脳と身体が働きます。
さらに私たちは、英語を文字から覚えてきました。つづりを見て、日本語で出せる音と結びつけて覚える。その結びつきをくり返してきたため、英語の文字を見れば、覚えた音が出てきます。
日本語そのものの干渉に、文字から英語を覚えてきた学習の干渉が重なっています。
⚫︎ 発音は、発話運動の結果
発音は、身体の動きから生まれます。
息を送り、声帯を振動させ、声道の形を変え、アゴ、舌、くちびるを動かす。その一連の発話運動によって、音が生まれます。
違う音を出すには、違う動きをする。

Speech is movement. (発話は運動)
⚫︎ 身体全体が、声をつくる楽器
このことを心得て、手本の声をできるだけそのまままねます。
じぶんの出し方で英語らしく言おうとするのではありません。手本の声量、息づかい、響き、口の動きまでまねて、何度も声に出します。
いつものじぶんの声の出し方から離れ、手本の声に身体をあわせていきます。
⚫︎ いつでも戻れる、声の基本をもつ
声をまねるときには、いつでも戻れる基本をもちます。
スポーツでは、ひとつひとつのプレーを練習しながら、姿勢や重心、身体の使い方といった基本に何度も戻ります。声も同じです。
音がどのようにつくられるのか。その基本原理を知り、練習の中で何度でも戻れるベースをもちます。

⚫︎ 子音の原理:風を噴き出す音。
⚫︎ 母音の原理:体内空間の共鳴。舌の前の空間と、舌の後ろの空間が共鳴する。
❶ アゴ:アゴを下げる。口を縦に開ける。
❷ 舌:舌の位置を変える。前に出す。後ろに下げる。
❸ くちびる:丸める。広げる。
しくみを知るのは、知識を増やすためではありません。うまくまねられないときに、身体の基本に戻って、もう一度試すためです。
⚫︎ いつもの何倍も、身体を使う
手本をまねるときには、身体の使い方を大きく変えてみます。
⚪︎ お腹に力を入れて、息をしっかり支える。
⚪︎ 息をいつもより多く送り、気流(Airflow)を増やす。
⚪︎ 息に声を乗せて、いつもより大きな声を出す。
⚪︎ のどや口の中の力を抜いてリラックスし、声の通る空間を広くする。
大げさと思うくらい、身体を使ってまねます。
大きな声を出すことが目的ではありません。手本の声に身体をあわせるために、いつもより大きく身体を使います。
手本を聞く。できるだけそのまま声にする。違いを感じたら、息、声量、響き、口の動きを変えて、また声にする。
うまくいかなければ、基本に戻る。そして、またまねる。
この往復を何度もくり返します。
⚫︎ 文字から、音をつくらない
文字を見て、知っている音を読み上げるのではありません。手本を聞き、その声を身体で受け取り、身体を使って返します。
文字から覚えた音を出すのではなく、手本を何度もまねて、声にする。そのくり返しによって、英語の音をつくる動きを身体に覚えさせていきます。
Don’t read. Vocalize it.(読まない。声に出す)

⚫︎ 身体(運動)
① 身体全体で声に出す (Vocalize)
② 小分けにしてまとまりにする (Chunk)
③ セリフをビートに乗せる (Beat)
⚪︎ 脳(認知・想起)
④ 瞬間の処理力を鍛える (Process)
⑤ 文字ではなく、情景を思い出す (Recall)
⑥ スローにして比較する (Contrast)
◎ 心(自走・再帰)
⑦ いつもセリフを口ずさむ (Internalize)
英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion(リアルタイムの音声認知・再現力を鍛える練習ループ)
⚫︎ 英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion①身体を使って声に出す(Vocalize)
⚫︎ 英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion② 小分けにしてまとまりにする(Chunk)
⚫︎ 英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion③ セリフをビートに乗せる(Beat)
⚫︎ 英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion④ 瞬間の瞬発力を鍛える(Process)
⚫︎ 英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion⑤ 文字ではなく、場面を思い出す(Recall)
⚫︎ 英語耳°を獲得するプラクティス|Recursion⑥ スローにして比較する(Contrast)
⚫︎ 英語耳°獲得のプラクティス|Recursion⑦ セリフをいつも口ずさむ(Internalize)
作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど
