間[ ま ]をつくるエンパシーム

Just one little moment.(ひとつ、小さな間まを)

空間の間まも、時間の間まも、じぶんと相手とのふれあいから生まれます。
間まの根源は、共感的な想像が湧き起こる場、その瞬間。

間まは、息と声と姿勢で、かたちづくられます。
私たちは、息によって声を、声と全身の動きによって、ことばを紡ぎ出しているからです。

ひとりでいても、相手の存在があり、やりとりするかのように、ことばを使っているのです。

ひとつのセリフの中に、いろいろなサイズの間まがつくられます。

・ことばとことばの間ま(あいだ)

・セリフとセリフの間ま(あいだ)

・場面と場面の間ま(あいだ)

・音の区切れ(音節)と音節の間ま(あいだ)

その基本(ものさし)となるのが、息です。
私たちは、息を声にかえて、話します。
ですから、ひとつのセリフは、ひと息です。
セリフの区切れは、息の区切れ。

ことばとことばのあいだの間まは、息の静止です。
微かな間まも、一瞬、息を止めることでつくります。

でも、ほとんど気づくことはありません。
母語は、生まれて以来、絶え間なく、身につけてきたものだからです。

間まとは、話す時の、声を出さない、わずかな時間です。
その瞬間、静止状態で、身体が次を動きを待っているのです。

逆の言い方をすると、ことばは、声に出さない無音静止状態によって、区切りをつけることです。
間まを掘り下げていくと、それがことばを形づくっていることに気づきます。

何でもないようなことですが、実は、重大な出来事だったのです。

「あゐてにふすいま」という間をつくる

You have the power.(その力がある)

ことばを話す時。
無意識的な、しぜんな流れの中に、間が小さなつぶのようにして、つくられています。

ただし、急につくられるわけではありません。
間まには、必ず、ひとつふたつと数えられる、順番のある流れが必要です。

順番のある流れとは、シークエンス(連なり)です。
たとえば、数珠つなぎのように、玉がつながっている様子。

間まとは、ものとものの「あいだ」のことですから、ひとつだけでは「あいだ」ができません。
間ま自体は、わずか一瞬でも、

間まをつくるのは、一瞬ではないのです。

ひとつの流れがいります。
前後がいります。
周囲がいります。

あたりまえのことのように聞こえるかもしれませんが、このことがとても重要です。
ポンとひとつ、間まをつくることはできないからです。
間まをつくるということは、間まをつくる流れをつくるということなのです。

(3)人間の「間」をつくる

このように間を掘り下げていくと、行き着くところがあります。
それは、人と人の間まです。

もともと、人間ということばは、人と人の間(あいだ)と書きますね。
また、世の中の人全体を指して世間せけんと書きます。

私たちはみな、ひとりひとり、生きていく存在です。
と同時に、ふれあい、わかちあい、共に生きる存在でもあります。

なぜ、間まが大切だ、といわれるのか?
それは、私たちが生きて暮らしていく上で、人と人の間(あいだ)には、ほどよい間隔と適切なタイミングが、とても大きな役割をになっているからです。

ほどよいとは、バランスが取れている、という意味です。
バランスということばも、間まということばとおなじように、ふたつのものごとの関係(調和)です。

・どちらか片方に行き過ぎないこと。

・近づき過ぎない、くっつき過ぎないこと。

・離れ過ぎない、遠ざかり過ぎないこと。

でも、じぶんがバランスが取れた姿勢をつくっているかどうか、なかなかわかりません。
ですから、実際に間まをつくってみることで、わかります。

エンパシームは、そのために編み出されたものです。

まず、ひとりで、間まがしぜんに入るような流れをつくる。

エンパシームは、ひとつの間まです。
また、同時に、カプセルのように、その中に小さな間まをおさめます。
それをあとから、手にとるように、見て、聞いて、ふりかえることができます。

それだけではなく、さらに、じぶんのつくる間まにかきそえたり、ことばのつながりをつくったりできます。
そして、人と人のほどよいつながりをつくることができます。

・そっとみまもる(助けを求められたら応じられる)しくみ

・わかちあう(お互いの気持ちにもとづいている)しくみ

・よりそう(ことばひとつひとつをベースにはげましたり、はげまされたりする)しくみ

現代テクノロジーによって、人と人の距離は近づいたように見えますが、ほどよい間隔、つまり間まをつくることは、よりむずかしくなっています。
押し付けるのでもなく、放ったらかしにするのでもないということは、なんてことない話に聞こえますが、実は、なかなか得がたい出来事なのです。

でも、ものごとの根源にさかのぼってみると、間まをつくることの重大さに気づきます。
ぜひ、エンパシームを利用してみてください。
また、エンパレットも自由に活用ください(注1)

作(文・挿絵・声にだすことば・声):坂口立考
出典・参照:『毎プラ てびき』、SomniQ, Inc 『Visualization of Speech』、以下のエンパレットノートなど

「毎プラ てびき」

「声の鏡「円符の発明」へ」

(注1)本エンパレット「間をつくる」シリーズ①②③」と、「思いのタネをまく」シリーズ①②③④、Festina Lenteシリーズ①②③④は、互いに結びついています。キーワードをつなぐと、[思い・ねがい]=[タネまき・手入れ]=[姿勢]=[間をつくる]=[共感・想像]=[気づき]=[作法]=[プラクテイィス」です。