
Stay hungry. (求め続けよ)
Stay foolish.(利口になるな)
スタンフォード大学を卒業する若者の門出に、スティーブ・ジョブさんがはなむけたことばです。
19歳の時に出会って以来、このことばを自身に言い聞かせる指針として大切にしたと言います。(*注1)
どんな人生にも必ず、困難があります。
スティーブさんは、こう言います。
「あきらめない唯一の方法は、じぶんがすることを愛することだ。」
心から好きでなければ、困難は乗り越えられません。
でも、何事も「好きになる」には時間がかかります。
やっていく過程でだんだん好きになるもの。
ここに、見えない大きな落とし穴があります。
それは、人は知識を得すぎて「利口」になってしまう、ということです。
割に合わないこと、損することはやらない方がいい。
損得勘定を働かせて、自分が得することが「頭のいい」生き方。
私たちは、そのように世の中に教えられて生きている、といっても構いません。
利口なれば、困難であきらめてしまいます。
満ち足りてしまえば、わざわざ困難に向きあう必要などない。
利口になればなるほど、そもそも、困難は始めから避けたほうがいい。
誰だってそんなふうに思うもの。
その常識こそが、最大の落とし穴です。
あなたはすでに「好きなる前にあきらめてしまう」空気に包まれて生きているのです。
あきらめてしまえば、愛することには出会えません。
なぜなら、毎日することが、愛することになるからです。
「あきらめない」は、毎日の行為の中にしかありません。
いつもそのことを忘れないように、声に出してじぶんに語りかけること。
“Stay hungry, stay foolish.”ということばは、ハングリー精神が大事だとか、バカになれ、という掛け声でありません。
いつも(=stay)、自分自身を「好きになろうとするじぶん」に仕向けるためのことばだったのです。
Stay hungry. なぜなら、満ち足りたと思ったら求めなくなってしまうから。
Stay foolish. なぜなら、自分の得ばかりを求めれば、困難が来て必ずあきらめてしまうから。
じぶんを勇気づける、最も親身のアドバイス。
スティーブさんの、切実な、渾身のメッセージです。
成功や成就は、毎日追い求める行為の「結果」です。
でも、他人の「結果」をまねることはできません。
まねることができるのは、その結果に向ける「原因」だけです。
Steveさんは、自分の成功を解説しません。
解説しても、だれの役にも立たない。まねができない、のですから。
だから、だれの役にも立てる、つまり、だれにでもまねできる原点を、赤裸々に語ったのです。
いま、AIに聞けば「あきらめない方法」といったプレゼン風の文章が出てくるでしょう。
ところが、それを読んでも、あなたの「折れない心」はつくられません。
あなたが心から愛せるものが、出てくるわけでもありません。
毎日することをつくる。
毎日することに、じぶんの心をしむける。
そして、じぶん自身に寄り添うことばを声に出す。
声は、全身に響き、脳の神経細胞を動かします。
そのことばが毎日の糧になり、心に刻まれていきます。
何もトライせずに困難を避けようとするのでもなく、
困難がやってきてから、Don’t give up (あきらめるな)と言うのでもなく、
声に出して、こう言うのです:
Love what you do.(じぶんがすることを好きになれ)
Do what you love.(愛することをせよ)
愛することとの生涯の出会い。
かけがえのない、あなたの「生きがい」。
それは、あなた自身の声の中にすでに宿っているのです。
出典・参照:以下のエンパレットなど
(*注1)Stewart Brandによる『Whole Earth Catalog』の最終号(1974)の背表紙に載せられたことばです。探検ヒッチハイクを思わせる朝の田舎道。場所はカリフォルニアのメンローパーク。スティーブさん19歳の時です。
点を結ぶ線になれ (Connect the dots.真の意味)
All you need is love 誤解を超えて (4)遍界不曾蔵
Steve Jobs’ 2005 Stanford Commencement Address
スティーブさんの生き様とメッセージが145のセリフに凝縮されています。
その中にあることば。
You’ve got to find what you love. (愛することを探さなくてはいけない)
Keep looking until you find it.(探しあてるまであきらめない)
Don’t settle.(やめないこと)
You are already naked.(人間は必ず死ぬ。今さら、何を恐れるんだい?)
Have the courage to follow your heart and intuition.(じぶんの心に従う勇気を)
