Empathemian『It’s like a bicycle』

Practice is like riding a bike.(プラクティスは、自転車に乗るような体験)

自転車とは?
風を切って走る体験。
人間と機械が力をあわせるしくみ。

「部品を組み合わせてつくった乗り物」ですが、それだけでは自転車とは言えません。
人間の力と機械の力がいっしょになってつくりだす移動体験こそ。
自転車は、バランスをとりながらペダルを漕ぐ、人間の筋力がフルに活かされるしくみ。
人間と機械でひとつのシステム。

はじめて乗れた日のことを覚えていますか?
はじめはうまくいきませんが、思い切ってやっているうちに、その日がやってきます。

一度身につけたら、一生忘れることはありません。
自転車とじぶんが一体化するのですね。
別の言い方をすると、じぶんもシステムの一部になるからです。

自転車は、漕がなければ動きません。
漕ぐチカラを、大きな推進力に変えます。
お互いのチカラがあわさるから、あれほどのスピードがでるのですね。

プラクティスの理想は、自転車ようなシステムになることです。
その話の前に、自転車について、考えてみます。

Draisine (Wikipedia)

英語では、Bicycleと呼びます。
車輪がふたつ、という意味。文字どおり、2輪車。

自転車の歴史は、それほど古くありません。
荷物をのせるカートは、4輪も、2輪も、何千年も前からあります。(*注1)
が、2輪の自転車の発明は、19世紀半ばです。

自転車よりも、複雑な蒸気機関のほうがずっと古く、また、飛行機は自転車の発明からわずか50年です。
意外ですよね。

車輪を横に並べるアイディアは太古からあります。
「縦にふたつ、一列に並べる」というアイディアまでに何千年もかかったことになります。

ドイツの発明家のドライスは、二本足で地面をけって走る「ドライジーネ」を発明しました。
「スウィフト・ウォーカー」(速く歩く)コンセプトで、車輪を利用するわけです。

自力(脚力)と他力(車輪)をあわせたブレークスルーです。
これをもとに、ペダルを漕いで回転運動を推進力に変える、現在の自転車が発明されました。
人間が地面から足を離し、全身と自転車全体を一体化させる、第2のブレークスルーです。

テクノロジーというと、こんなイメージがあるかもしれせん。

・人間が使う道具
・人間の代わりをする機械
・人間のできないようなことをするしくみ

表面的には、そのようにも言えますが、もっと本質的なことがあります。

・自然の力を活かす
・人間の力を引き出す
・人間と一体になり、より大きな力を生み出す(人間がしくみと一体になり、人間の力が養われる)

「自転車にのる」という体験は、その代表です。
何かをすること(プラクティス)も、相手である道具と一体になり、共に働くことに本質があります。

自転車のようにプラクティス②(しくみを活かす)(明朝の配信後にリンクされます)

出典・参照:以下のエンパレットなど

(*注1)2002年にスロベニアで発掘された「世界最古の車輪」は、5200年前のものだそうです。ユーラシア大陸の遊牧民族スキタイの遺跡にも5000年級の車輪が見つかっています。

Ljubljana市博物館展示

プラクティスの意味④(フィードフォワードは未知につなぐ力)

共に働くしくみ

自然を活かす[テクノロジーの本質]

自然とのふれあいの中にある[テクノロジーの本質]