Empathemia『Festina Lente』

Festina Lente.

フェスティナ・レンテは、ただ単に、ゆっくりせよ、ということばではありません。
ゆっくりする姿勢を身につけることで、上達を速め、じぶんに変化をもたらすこと。
そのような意味で捉え直すと、より、見えてくるものがあります。

ものごとの成果を、速めるためにどうしたらよいでしょうか?

festinaというラテン語は、英語のfast(速い)ということばにつながっています。
ゆっくりせよ、と言っているのではなく、ゆっくりすることで、動きを速めよ、というのです。
つまり、それは、ゆっくりする部分を全体の中に組み込むことです。

そこにプラクティスの秘訣があります。

「ゆっくりにする」というアクションをかみくだいてみます。

① スピードを落とす(たとえば、円をゆっくりと描く、息をゆっくり吐き出す)

② 間を入れる(たとえば、声のセリフのあいだに、ゆっくりと、間あいを入れる)

③ 待つ(たとえば、ひと息の間合いをいれてから、次の動きにうつる)

実は、ゆっくりにするとは、行為の全体を遅くすることではありません。
全体の中の、大切な部分部分で、わずかな間を入れることなのです。
強弱やスピードのメリハリをつけること、と言い換えることもできます。

「ほんの一瞬、待つ」という行為とは、小さな間合いを入れるマイクロアクションに他なりません。
ひと息の間をいれることで、リズムができます。
リズムは、持続の力です。

Give it a moment.(一瞬、待て)

ゆっくりにする、すなわち、「間をつくる」ことで、身体の動きを速めることができます。
よい流れができ、それが「姿勢」を保ってくれるからです。

そればかりではありません。
ものごとの習得を、より深く、より速くすることにつながるのです。

Festina Lente ④ [ゆっくりにすることで、深くなる学び(上達の秘訣)] につづく

Festina Lente ② [ゆっくりにすると無意識の力が引き出される]

「やわらぎ」を組み込んだ作法

じぶんの身体サイズで学ぼう

「英語のプラクティス」習慣を身につける

出典・参照:『修養トレイル てびき』

「修養トレイル てびき」

「Festina Lente」(Wikipedia)