A sense of caring. (おもいやる心、小さなふるまい)
どんな世界でも、プラクティスの核心は、小さな所作です。
ひとつ、ひとつの身体行為が、いつもおなじようにできることが「身につく」ことです。
「素直にうけとめて、やってみる」ということも、じつは、ひとつのプラクティス。
どんな小さなことも、「あたりまえのようにできる」ためには、プラクティスがいるのです。
思いのタネは、「きょうもひとつまいてみよう」という、ひとつのふるまいから、うまれてくるものです。
ねがう心や信じる心。
その心が先にあって、それをことばに変えるのではありません。
声に出して、じぶんでじぶんを聞くというふるまいがくりかえされるうちに、心になっていくのです。
思いのタネは、後からできる。
後からできる?そうは言っても。。
これから思いのタネをまく?
もっと若いときに、タネをまけばよかったのに。
過ぎてしまった過去は、変わらないでしょう。
こどものころに、もどってまきなおせるわけでもないし。
ふと、そんな気もしてくるかもしれません。
でも、安心してください。
「これから、タネをまいて、いつか実になる」というと、直線的な時間のイメージがあるかもしれません。
じつは、ちがうのです!
じつは、だれにでも、すでに「まいていたタネ」があります。
ただし、そのことに気づきさえすれば、です。
こんなふうに、考えてみてください。
思いのタネをまいていたのかもしれない。ところが:
・それに気づいていなかった(いまでも、気づいていない)
・それを忘れていた(まだ、わかっていない)
・それが眠ったまま(あることを知らない)
そうかもしれない。でも:
・思いのタネというほどのものではない、と思っていた
・タネになる途中で、手入れをしていなかった
・つづけていれば、タネになっていたのだろう
こんなふうに言ってみると、心あたりがありませんか?
思いのタネは、そのように気づくことで、(いまから)できます。
気づくためには、そのつもりになって、じぶんの声で言ってみることです。
後から、さかのぼって、思いのタネができる。
でもやっぱり、過去にもどることなんて、できない。
そう考えてしまいますよね。「過去に、もどる」のではありません。
そもそも、過去とは、どこかへもどる場所のことでも、その時間のことでもないのです。
過去というのは、前に起きたこと、という、いま時点の概念(ことば)です。
思いは、いつでも、いま、あります。
たったいま、思い直すことで、生まれてくるのです。
だから、いまからでも、ことばにしてみることです。
そうすると「あたかも、じぶんの過去にさかのぼっているかのように」、タネをまきなおすことができます。
私たちには、常識的にもっているイメージがあります。それが、じゃまをしているだけなのです。(注1)
「歴史年表のように、時間が左から右に直線的に流れていて、その上の小舟にのって人生を送っている」というイメージ。
でも、じつは、そのようなものは、どこにもありません。
せっかく、自由自在にはたらく、想像する心があるのに、私たちはなぜか、直線の時間に囚われがちです。
ほんの少しだけ、想像のイメージを変えたら、ものごとはまったくちがって見えてきます。5歳のじぶんにさかのぼって、思いのタネを、いまからまくことが、だれにでもできるのです。
いま、そのように、声にだして言ってみれば、だんだんと気づくことでしょう。
5歳のじぶんは、いまでも、5歳のじぶん。
いつでも、なれるはずです。
タイムマシーンの話みたい?
そうです。生きていることが、タイムマシーンのようなもの。
でも、マシーン(乗りもの)にのって、どこかへ飛んでいく必要はありません。
思いのタネをまくことが、じぶんというタイムマシーンになるのです。
エンパシームは、だれでも気軽に使うことのできる、そのための「タイムカプセル」です。
You can always sow a seed. (思いのタネは、いつでもまける)
思いのタネをまく (1) どうやって?
思いのタネをまく(2)どこでつまずく?
ことばの種は、後から芽生える(思いのタネが、後から芽生えたエピソード)
想像の冒険「実はいつも夢を生きている」(5歳のじぶんが、思いのタネをまくエピソード)
エンパシームへの路(2)存在のありがたさに気づく(いちばん大切なことに、後から、気づくエピソード)
じぶん・じかんプラクティス②(注1・過去、時間についての誤解について。)
気づきのタイムカプセルとは?(エンパシームというタイムカプセルについて)
出典・参照:坂口立考 講演『つくる』、英プラガイド、毎プラガイド
・東洋大学理工学部でのオンライン授業にて、エンパレット演習 (2021.4-7月)
・広尾学園中学校でのオンライン講演『つくる』(2021.6.24)(下の挿絵は、ここでみなさんにお話したもの)
・飯能第二小学校でのオンライン講演『英プラ・思いのタネをまく』(2021.7.13)
・ベトナム貿易大学でのオンライン講演『Create』(2021.5.31)
(注1) 直線的な時間のイメージを、いったん、忘れてみるとわかります。