Invention is the mother of necessity.(発明は、必要の母)
のびた:発明ってさ、答えを探すんじゃなくて、問題を見つけるって言ったよね。
ドラえもん:うん。そのとおり。
の:でもさぁ、どうやって問題を見つけるの?
ド:想像したもので、それで解決できることかが問題だよ。
の:あ、だから、さかさまに考えるって言ったのか。
ド:先に、もしかしたら何かになりそうなことを想像するんだ。
の:それで?
ド:先に、それをつくってみるんだよ。
の:先につくるの?
ド:こんなものあったらいいなぁ、というだけだと、まだ問題の発見にならない。
ド:「どこでもドア」を先につくってみる。そうしたら?
の:未来に行ったり、地球の裏側に行ったりできる。。
ド:でしょ?
の:でも「どこでもドア」なんて本当はないんでしょ?
ド:何を言っているの?
の:え?
ド:そうやって想像することが「どこでもドア」なんだよ。
の:うん、わかったけど、それつくってみないとダメなんでしょ。
ド:そうだよ。どんなものが「どこでもドア」かは、のびちゃんが決めるんだから。
の:じぶんで決めていいの?
ド:発明は、必要の母。
の:必要は、発明の母じゃなくて?
ド:大きなコンセプトをつくって、それでどんな問題が解決するかを考える。
の:それで?
ド:方法にして、試してみて、具体的にする。
の:そういえばさぁ、エンパシームも発明なんでしょ?
ド:そうだよ。じかんのカプセルにするんだよ。
の:そんなことできるの?
ド:だからさ「どこでもドア」と同じように考えればいいんだよ。
の:エンパシームがあったら、これまでできなかったことができるようになるって?
ド:そう。ひと息ぶんのセリフがはいっているカプセル。
の:じかんのカプセルをもち歩けるの?
ド:それでじぶん時間ができている、って考えてみたら?
の:なんだかちがう世界だね。
ド:そう。のびちゃんだけのカプセル。みんな持っていたら、みんなのじかんにもなる。
の:それがエンパシームなの?
ド:それもエンパシーム。そうやって組み立てていけばいいんだよ。
の:「どこでもドア」なんてあるわけないから、考えちゃいけません、ってママが言ってたよ。
ド:「どこでもドア」のことだけじゃなくて、いろいろ考えていいんだよ。
の:そんなこと、学校で教わらなかったよー。
ド:教わらなくてもいいじゃないか。
の:そうだけど。
ド:未来は、だれにもわからないんだから。
の:だから考えても仕方ないんでしょ。
ド:わからないから、自由に考えていいんだよ。
の:どうなるかはわからないんでしょ。
ド:そう。だからいいんだ。
の:それでいいの?
ド:そう、だからいろいろ考えられて楽しいよ。
の:自由に考えるってむずかしいよ。
ド:「そのつもりになってみる」だけ。
の:そのつもり?
ド:水のつぶ(写真)が「どこでもドア」なんだというつもりになってみる。
の:むずかしいなぁ。
ド:むずかしくないよ。慣れてないだけだよ。
Why?
Why not?
Act as if you have it.(もうそれがあるつもりになってみる)
出典:『毎プラガイド』