
Harmony(ハーモニー)ということばがあります。
全体が調和した様子を表すことば。ハーモニーということばを聞いて、何を思い浮かべますか?
音のハーモニー。味のハーモニー。色のハーモニー。
演技のハーモニー。心と体のハーモニー。自然のリズムとのハーモニー。魂のハーモニー。
ギリシャ語に由来するハーモニーとは、「つなぎあわせる」「むすびつける」という意味でした。そこから、調和という意味が生まれました。
「和音」も、そうです。ドレミを組み合わせた声音を「和音」と呼びます。異なる音、ちがう要素が、ほどよく、気持ちよく、組み合わさることです。人間の五感に一致することが、ハーモニーです。
調和するように、ほどよい違いのある要素が集まること、ちょうどいい具合の違いにならんで、それが全体になるという言い方もできますね。
マルクス・アウレリウスは、こう言いました。
He who lives in harmony with himself lives in harmony with the universe.
(じぶん自身と調和して生きるものは、宇宙と調和して生きる)
じぶんの中だけのハーモニーは、全体のハーモニーにはなりません。
宇宙自然に一致して生きようとすることがハーモニーをもたらします。
人生全体のハーモニーを持とうとしても、できません。
行為のひとつひとつを調和させることだけです。
ほどよく、気持ちよく、宇宙自然と一致させる、ひと時ずつ、つながっていくものが生きていくことです。
ハーモニーが、生きているということの表れ。
出典・参照:マルクス・アウレリウス『自省録』