Empathemian 『よ』

画家・熊谷守一さんは「ひとりたのしむ」達人でした。

わたしは好きで絵を描いているのではないんです。絵を描くより遊んでいるのがいちばん楽しいんです。

絵を描くのに場合によって、初めから何を描くのかわからないのが自分にも楽しい。描くことによって、自分にないものが出てくるのがおもしろい。

「すること」そのものが楽しいのですね。はじめから決まった「答え」を探すのではなくて、なにかおもしろいものに出逢えること。それが、たのしい。
そのようにしているうちに、絵ができる。

へぇーと感心します。でも、どうでしょうか。

私たちも、こどものとき、そうだったのではないでしょうか。オトナになるとなくなってしまうのでしょうか。
守一さんは、100年近く、その気持ちを持ち続けた「大のおとな」です。

「独楽」:ひとにはわからないことを、独りでみつけて遊ぶのが、私の楽しみです。

私たちが、いま生きていることも、おなじなのではないでしょうか。
ただ、独楽(こま)のように、ひとりでくるくるまわる、小さな場所と、じかんがいりますね。
エンパシームひとつぶんのじかんと場を。

じぶんも、ひとり、くるくる、まわる独楽。

出典:熊谷守一『ひとりたのしむ』