「生涯、行うべきことをひとことで言うと何でしょうか?」
「論語」の中で孔子は、弟子の子貢に答えて言います。
それは、
相手の身になること、ゆるすこと。
じぶんがされたくないことは、人にもしてはいけない。
相手の身になる心、恕(じょ)。それは、じぶんの中から表われ出る共感の心。
恕こそがすべての徳に通じる、いちばんはじめのふるまいである。
孔子は、それをひとこと、一文字で示しました。
論語は、仁・義・礼・智といった倫理道徳を教える儒教の経典として知られます。
しかし、オリジナルの論語は、人びとが共に、よりよく生きるために、どうしたらよいかを、孔子が弟子たちにやさしく説いた、具体的な行動の指針だったのです。
知識や技術の修得以前に、いちばん大切なことがある。
自分自身を思いやること。
それは、相手の身になること。
つまり、ゆるすこと。
いちばん、はじめに、
Empathy matters most.(共感のふるまいこそ、学びの原点)
孔子が私たちにも語りかけてくれているようですね。
そのように感じられることも、もちろん、「共感のふるまい」です。
出典・参照:『論語』衛 霊 公 第15ー24、以下のエンパレットなど
「子曰、其恕乎、己所不欲、勿施於人也」