Empathy is to act together.(共感とは共にふるまうこと)
貧しい人たちが生活に苦しむ、ある町の中心広場に建てられた金の王子像。
王子は、それまで本当の悲しみを知らない「幸福な王子」でした。
ある日、越冬のためエジプトに飛ぶ群れからはぐれた、一羽のツバメと出会います。
ツバメは、町のあちらこちらを飛び回り、人々の様子を聞かせてくれます。
王子は、苦労や悲しみの境遇にある人々のために、じぶんの身体を覆う宝石や金箔を切り与えていきます。
みすぼらしい姿になった王子と、王子と運命を共に過ごす覚悟を決めたツバメ。
厳しい冬を乗り切れなかったツバメの死に、王子の鉛の心臓も壊れてしまいます。
王子とツバメの行いに気づく人はだれもいません。
ボロボロの王子像は、溶鉱炉で溶かされ、壊れた心臓と死んだツバメはゴミ捨て場に捨てられます。
Empathy reflects self.(共感はじぶんを映す)
オスカー・ワイルド作『幸福な王子』(The Happy Prince)。
自己犠牲、無私の善行、心を通わせる友情の物語として、よく知られます。
動けない王子の目となり、耳となり、手足となって働くツバメ。
ふたりは、いのちを捧げて、人助けをする道を共に歩みました。
同情ではなく、じぶんたちが存在することの意味を、共に生きたのです。
共感は、互いの心があわさることです。
おなじふるまいによって、心の働きを共にすることです。
王子とツバメは、天国の楽園「黄金の都」で永遠に生き続けます。
出典・参照:Oscar Wilde『The Happy Prince』
気づく① 気づくとは何に気づくことなのか?(裸の王様は何に気づいたか)
寄りそいあえるコミュニケーション (4) [共におなじ路を歩む]
The Happy Prince and Other Tales