Imagination is a map.(想像は、地図)
じぶんの指先がじぶんのものであることがわかるのは、なぜでしょうか?
あたりまえすぎて、こたえに困りますね。
脳は、神経で身体の各部位とつながっています。
脳には「身体の地図」があるのです。
Body Shema(ボディ・スキーマ)、身体マップです。
身体部位のすべてが、脳にマッピングされて(写されて)いるからです。
私たちの身体は、運動行為によって、まわりの世界を脳に写しているのです。
じぶんが何かをしているところを思い浮かべてみてください。
なにか行為を想像する時、脳の身体地図が使われています。
その地図上で、運動の感覚記憶が働きます。
身体は動いていなくても、想像するだけで、脳が活発に働きます。
想像することは、運動することでもあるのです。
頭の中で予行演習するリハーサルや、メンタルトレーニングは、身体化された脳を活発にするプラクティスです。
運動、行為するじぶんのイメージをくりかえすことで、身体感覚で捉えている周囲の世界が深く脳に刻まれていきます。
サッカーのリオネル・メッシ選手のゴール・シーンをごらんになったことはありますか?
猛スピードで走りながら相手を交わし、針の穴を通すような正確さで枠のギリギリ隅にゴール!
寸分もたがわない弾丸シュートがネットを揺らします。
その時、ボール以外、何も見ていません。
もちろん、ゴールの方もまったく見ていません。
見ないでも、数ミリの誤差もないほどに、ボールを蹴ることができるのは?
それは、サッカーピッチ(フィールド)のすべてが、身体化されて、脳に刻まれているからです。
そのような神業も、人間のなせる技。
日々の身体プラクティスによるものです。
Practice is imagination.
Imagination is practice.
身体プラクティスには、想像。
想像には、身体プラクティス。
心の地図を歩いている(1) [体験のことばをマップに] へもどる
出典・参照:Sandra Blakeslee and Matthew Blakeslee: 『The Body Has Its Own Mind』(邦題:脳の中の身体地図)、養老孟司『身体を読む』、『毎プラトレイルマップ』
Body Schema(Wikipedia)
Motor Cortex(Wikipedia)