人間とテクノロジーの溝
ますます高度化・複雑化するテクノロジーと人間の生来の能力、そのギャップは大きくなっています。
テクノロジーが生活を便利にしてくれる恩恵。
人間ができないことをテクノロジーがやってくれ、人間の生活が豊かになるのなら、それでよいではないか。
そんな暗黙の前提で進んでいる現代社会。
どこに問題があるのでしょうか?
それは、人間の本来の力が社会に活かされにくくなっていることです。
そのこと自体が気づきにくく、わたしたちが無自覚にいることが切実な問題です。
人間の心のギャップ
私たちの日常生活は、気づかぬうちにテクノロジーに依存しています。
日々大量の情報を得て、何でも手に入れられるのが「あたりまえ」になっています。
それは人間の心理、日々の行動にも影響を与えます。
スマホで頻繁に情報を取りすぎて、不安や不信感を掻き立てられたり、人に無神経、攻撃的なふるまいをしてしまっていたり。
SNSでみられるような誹謗中傷に自分は無関係だと思えば、自分に関係のないこととして、ますます無関心にもなったりします。
こんな実験をしてみましょう。
(1)何もしないで、ひと息分、ゆっくり「待って」みてください。
「待つ?何のために?意味もなくすることは無益。やっても何の得にもならないことは、ただの時間のムダ。」
心のどこかで、そんなふうに感じるのではないでしょうか。
(2)日常の中で、ほんの数秒が待てなかった、といった経験を思い出してみてください。
「たまに、そういうこともあるけれど、それはそういう状況だった。待とうと思えば、待てると思う。」
本当にそうだと言い切れるでしょうか?
頭の中でいくらそう思っても、そのように行動できないことのほうが、ずっと多いのではないでしょうか。
* しようと思えばできるが、やらない。
* しようと思うけれど、やれない。
* しようと思わなくなっている。
一度もやらないことは「やろうと思えばやれる」ことには入らないのでは?
たった1秒が待てないじぶん。
でも、そのじぶんだけが、本当のじぶんとも言い切れないですよね。
そんなはずはない、そういうこともあるだけだ、と。
このギャップは何なのでしょうか?
What matters most?
いちばん大切なことは?