ゆき「トライ」

Give it a try.(やってみよう)

陶芸に勤しむユキさんから聞いた話です。

「今日、とてもいいことがありました。
陶芸のスタジオで、先生からもらったアドバイズ。
先生は、言い方が少しきついんですけど、本当によかった。
はじめて、気がついたんです。

筒あげと呼ぶのですが、ろくろにのせた土の塊を引き上げつつ、均一な厚みを保つ作業。
努力しても、完璧はむずかしい。
どうしても底にある土を最大限に引きあげることができない。
それで、私、そこまでできません、といったところ、先生がこう言いました。

できない?
では聞くけど、ユキは壊れるまでやってみたことはあるのかい?
どれぐらいの力加減でやったら壊れてしまうのか、やってみなければわからないよ。

え?!
私、10年もやっているのに、気づいていませんでした。
ずっと、失敗しないように、とばかり思っていたんだと思います。
失敗しないと、何が手先のコツかもわからないのに。」

すべてに通じる話ですね。
「失敗」の二文字。
こどもの頃から、私たちは「間違えないように、失敗しないように」ということに、
最大限の注意を払って、それを一生懸命やってきたようです。

たしかに、丁寧に、誤りのない作業をして、立派な作品をつくることは素晴らしいことです。
でも、それもまた、実は多くの「失敗」体験によって支えられるもの。
物事は試してみなければわからない。
試して、うまくいかないことは、失敗ではなく、実体験です。

その一方で、「失敗を恐れるな」という掛け声は、よく耳にすることばです。
でも、すでに「失敗=怖いもの、よくないこと」だという雰囲気が漂っています。
失敗は「恐れる・恐れない」という対象ではなく、学びのいちばん大切なプロセスです。

気づかぬうちに「何も試さず、その機会を捨ててしまう」という選択肢を選んでいるのだとしたら>?
それこそが本当の「失敗」というべきかもしれませんね。
本当は失敗を恐れているのではなくて、失敗という「二文字」を恐れているのかもしれません。

思い切って、やってみよう。

こわれて、はじめてわかる。

エンパレットの検索で「失敗」と入れてみてください。
きっと、身に覚えのある話、共感するエピソードがでてくるでしょう。
みんな、おなじなんです。

出典・参照: 以下のエンパレットなど、英語トレイル 1 (11) Give it a try.

Give it a try.

「It may work うまくいくかも」

Fear of Fear (おそれる気持ちがこわい)

「「練習の矛盾」を克服するプラクティス」

「「ダメ・ちゃんと・はやく」の代わりに言おう」

「実感の訪れ [壊れるからわかること]」

「ろくろ」