
「意識」って何ですか?何かと言われても説明に困りますね。脳科学の話に興味はあっても、だんだん話が複雑になってきて、よくわからなくなります。起きて活動している時は「意識があります」というぐらいの認識です。はて?無意識の反対が意識?
ほとんどは「無意識」なんですよ、私の日常は
いいえ、無意識は「意識がない」ことではありません。意識も無意識も、環境と相互に作用しあう身体の働きであり、そのあらわれです。刻々と変化する状態の全部をあわせて「心」と呼んでいます。脳の中に「意識」とか「無意識」とか「私」という何か、実体が入っているのではありません。
心は「働き」 現れでる現象
実は、無意識とよばれる状態が日常の大半。四六時中、寝ている時も、続いています。いわば、その「無意識」という土台の上で、意識があらわれる。自分がいる環境の中にはいろいろな刺激があります。その中で「突出したもの」を見つけては、マークをつけるような働き。それが意識です。次から次へと注意が移り変わっていく現象のことです。
ふだんの、歩行や食事、発話といった五感による感覚を伴ったあらゆる自然行為が起きている状態の大半は、無意識です。つまり、身体の自然のなりゆきを支えている大部分は、無意識なんですね。
意識は、注意を向け、マークする働き
意識の働きによってじぶん自身も意識されます。自意識とか自我と呼ばれます。大切なのは、その知識ではなくて、実際に身体でふるまい、じぶん自身の状態について、じぶんで感じ、あとから自分で考えてみることです。自分なりの、実感をうることです。
エンパシームには、意識と無意識の境目の、身体行為の
Empatheme captures, reflects and nurtures the subliminal.(エンパシームは、無意識のヘリを捉えて、利用することのできる「じぶんのピース」)
無意識という知識を得ただけでは、せっかくのポテンシャルを活かせません。具体的なプラクティスがいります。エンパシームをつくること自体が、プラクティスになります。
Practice Empatheme.(エンパシームをやってみよう)
出典・参照:坂口立考『エンパシームでひらく路』
吉田善一・石川英憲・坂口立考「無意識的な活動,視座に対する 気づきを誘発する学生実習プログラム開発」(工学教育69巻(2021)日本工学教育学会)