Words connect you with others.(ことばが人をを結ぶ)
おばあちゃんのラジオから飛び出てきた声。
はじめて、地球の裏側の人の声を聞いた時、それは「大宇宙」でした。
谷川俊太郎さんは、それがポエジー(詩情)だと言います。
「詩には、行分けで書かれた詩作品という意味と、英語でいうポエジー、詩情、その二つの意味がある。」
ポエジーはあらゆるところにあります。
人は、じぶんでは気づいていなくても、いつも詩情を生きているのです。
谷川さんの、こんな発言に遭遇しました。
「オーストラリアの短波放送なんかを受信すると、すごくうれしい。
「オーストラリアが聞こえた!」とかね、一種の空間の隔たりみたいなものがあって、それが詩の言葉の出方と似ている。
そういう宇宙の中に自分がいる。意識社会内存在としての人間と、宇宙内存在としての人間。人間は、二重に生きている。」
まさに!
二重に生きている、と。
谷川さんは、このようにも言います。
詩は声の力が大きい、と。
「詩というのは、意味だけを伝えるものではなくて、音の響きとかイメージとか、いろんなもので言葉ってものを伝えていく。
視覚で読むよりも、声のほうが直接的に響く。
聴覚というのは、かなり触覚的で、鼓膜に触れてくるから体に直接入ってくる。
実際に声に出してみると、音の要素もあるし、言葉が描き出すイメージの要素もあるし、様々な要素が言葉にある。」
「私有できる言葉ってないですよね。
生まれた瞬間から、言葉は全部他人から教わってくる。
私が「私」と言ったときには、もう全世界の「私」を含んでいる。」
Empty your cup.(じぶんを空っぽにするとことばが入ってくる)
「書こうとしているときは、できるだけ自分を空っぽにしようと思っている。
すると、思いがけない言葉が入ってくる、そんな感じですね。
呼吸法と似てます。自由に書くより、型があると書きやすいですね。」
Empatheme reflects your poesy in you.(ポエジーを写して味わうじかんを)
静かにすわり、そっと息を吐く。
何を言おうかと考えるのではなく、
ふぅーと入ってくる、
湧いてくることばに出会えれば。
じぶんから、ひとこと、声に出せば、
かんたんに出会えますよ。
出典・参照:谷川 俊太郎『詩を書くということ』、以下のエンパレットなど