絵本『さかなは さかな(Fish is Fish)』から。
ある森の池に、一匹のさかなが暮らしていました。
同じ池で一緒に暮らしていたおたまじゃくしは、やがて、かえるになり、水中から陸にあがっていきます。
かえるは、陸上の世界を見て帰ってきました。
かえるはさかなに、鳥のこと、牛のこと、人間のことなど、陸上の世界について楽しそうに語ります。
さかなは想像を膨らませ、ついに、陸に上がろうと勢いよく飛び跳ねました。
が、陸では息ができず、動けません。さかなは助けられて、水に戻りました。
Fish is fish.
さかなは、さかな。
自分の知らない世界は、遠い世界だけでなく、じぶんのすぐ周りにありました。
さかなは、水から出て陸上で暮らすことはできません。
そのぶん、いろいろな想像を楽しむことができます。
陸上の生き物はさかなのように、水の中では暮らすことができません。
そこで、陸の生き物はどんなふうに水中の暮らしを想像するのだろう、と考えることもできます。
さかなは、さかなにそなわった力を活かして生きています。私たち人間もおなじですね。
いちばん未知の世界はじぶん自身です。それは想像したり、発見したり、共感する世界です。
さかなのじぶんになれること!
これが、いちばんの人間らしさ。
人間に備わった自然の力。それは、このさかなの気持ちになれることです。
もうすでに、このさかなになって、じぶんを想像していることです。
さかなに共感しているじぶんがいることです。
出典・参照:レオ・レオニ『さかなはさかな』、『英プラ』 トレイル1 (18)