
Under pressure, your everyday self comes through.(プレッシャーの中でいつものじぶんが現れる)
「プレッシャーに負けた。」
よく、耳にすることばです。
でも、プレッシャーがかかったら、いつもと違うじぶんになるのでしょうか?
接戦だからといって、急に弱いじぶんが現れるわけではありません。
終了間際だからといって、特別な力が湧いてくるわけでもありません。
プレッシャーの中で現れるのも、いつものじぶんです。
ところが私たちは、思うように動けなくなると、「いつもじぶんではなくなってしまった」と考えます。そして、いつものじぶんを取り戻すのではなく、その場で別の力を出そうとします。
もっとがんばらなければ。
ここで力を出さなければ。
もっと強くならなければ。
プレッシャーが原因だと思うと、「もっとがんばれ。」「ここで力を出せ。」とじぶんを追い込みます。
でも、それは原因と結果が逆です。
「特別な力を出さなければ」と思った瞬間、いつものじぶんから離れてしまいます。
プレッシャーの中で必要なのは、特別なじぶんになることではありません。
いつものじぶんに戻ることです。
「プレッシャーに負ける」と考えた瞬間、私たちはプレッシャーを原因にしてしまいます。
Resilience. You need your everyday self to return to.(回復力ー戻る先は、いつものじぶん)
レジリエンスとは、立ち直る力です。
回復すること、もとに戻ること。
ということは?どこへ戻るのでしょう。
戻る先がなければ、戻ることはできません。だから、戻る先は、試合の最中につくるものではありません。
レジリエンスとは、戻る力。だから、最初に考えるべきことは「どう立ち直るか」ではありません。
「何に戻るのか」です。
戻る先になる「いつものじぶん」がなければ、何度立ち直っても、また同じところへ戻ってしまいます。
だから、まず必要なのは、「いつものじぶん」を育てることです。
では、「いつものじぶん」とは何でしょうか。
毎日、くり返していることです。
We are what we repeatedly do.(ふだんくりかえしてすることが、じぶん)
私たちは、くり返していること、そのものです。つまり、「ふだんのじぶん」とは、「ふだんのプラクティス」です。
プレッシャーがかかった時、人は突然変わるのではありません。いつもしていることに戻ります。
プレッシャーの中で、落ち着きやゆとりを取り戻すというのは、その場で冷静になるスキルではありません。
プレッシャーの中でも、いつものじぶんに戻れることです。
戻る場所は、日々のプラクティスによって育ちます。
プラクティスとは、上達するためだけにあるのではありません。
自分の内側に、戻る場所をつくることです。
レジリエンスとは、強くなることではありません。戻る先を育てることです。
いつものじぶんをつくることが、プラクティスです。
Build the practice within.(じぶんの内側にしくみを身につける).
毎日、ひとこと。
ことばのタネを、じぶんの内側にまきます。
声に出して、くり返します。プラクティスとは、その積み重ねです。
その一言を一度も口にしないまま、本番だけ力を出そうとする。それは、タネをまかずに実を求めることと同じです。
作(文・挿絵・声に出すことば・声):坂口立考
出典・参照:以下のエンパレットノートなど
「レジリエンス」シリーズ:
⚫︎ 「折れない・負けない・あきらめない」とは?|レジリエンス ①
⚫︎ 「メンタルが弱いか、弱いか」ではない|レジリエンス ②
⚫︎ いつものじぶんをつくる|レジリエンス ④
⚫︎ 心の免疫力をつくる|レジリエンス ⑤
⚫︎ いのちある限り、回復する|レジリエンス ⑥
⚫︎ 心をしなやかにする手入れ|レジリエンス ⑦
