Ears and Eyes got together and created language.(耳と目が結婚してことばが生まれた)
耳は聞く役割、目は見る役割。
それぞれ、別系統で情報を入力しています。
・音は耳から、側頭葉(大脳皮質の横)に入ってきます。
・映像は目から、後頭葉(大脳皮質の後ろ)に入ってきます。
養老孟司さんは、こう言います。
「目からの情報と耳からの情報、ふたつの異質な感覚を連合させたところにつくられたのが、ことばです。
言語は、さまざまな脳の活動を共通して使う機能です。
目と耳、つまり視覚系、聴覚系の2つの情報系を共通処理する規則です。」
大脳皮質の中で、目から来た情報の波と、耳から来た情報の波。 両者がぶつかるところに発生するのが言語。
養老さんは、「そうなってしまったとしか、言いようがありません。」と言います。
もともと、別々であった情報経路を、共通にできるのが人間の脳。
そのようにしてことばは生まれ、進化したというのです。
耳と目の結婚!
そのように捉えると、こうも言えそうです。
耳と目をつないでいるのは?
脳内ですね。(耳と目の結婚(3)でも詳しくお話しします)
口がつないでいます(発話)。
顔がつないでいます(表情)。
手がつないでいます(手ぶり)。
全身がつないでいます(身ぶり)。
ことばは、声の身体運動。
ことばは、五感と結ばれ、全身と一体化しています。
ことばは音のつらなり。
音声を聞けば、イメージが浮かびます。
文字を読めば、音声が思い出されます。
本来、文字は、ことばを表していません。
なのに、私たちの頭の中では一体化しています。
特に、日本語は、かな文字と音が一体化しています。
ことばは、文字があってそれをどう読むか?
そういうふうに、考えていますよね。
たとえば、漢字。
漢字は訓読み(日本語の音にあてはめて読む)しますが、
中国語をはじめ、ちがう言語なら、ちがうふうに読みます。
それぞれの文化で、耳と目が結婚生活があるわけです。
私たちは、視覚情報、文字知識が優位な日常生活を送っています。
気づかぬうちに、耳がきいていることばを消しているかもしれません。
ことばは、読む、書く以前に、
聞くこと、話すこと。
耳と目の結婚(3)(脳全体を活性化させる)へつづく(明日の配信後リンクされます)
出典・参照:養老孟司・久石譲『耳で考える』、以下のエンパレットなど