Empathemian『Extracted natural resource.』

Be resourceful.(アイディア豊かに)

地球上で最も豊富な量のある天資資源は何でしょう?
酸素です。
2番目はシリコン(ケイ素)です。

ケイ素は、地殻の1/3近くの量に相当する固体。
半導体の原料として使われます。

コンピュータに代表される現代のテクノロジー文明。
シリコンの性質を取り出すことによって、つくり出した半導体技術に支えられています。

現在、コンピュータのチップの配線幅は、7ナノメートル。
水の分子7つほど、という超微細加工です。(*注1)

Empathemian『Extracted natural behavior』

Think of your actions as resource.(行為を資源と見立てよ)

人間も自然から生まれた存在です。
天然資源のアナロジーで考えてみましょう。

心の働きをつくる、最も豊かな資源は何でしょうか?

言い換えてみます。
生涯を通して、最もふんだんな「ふるまい」は何でしょうか?

まず、呼吸があります。
生涯で、6億回以上。(*注2)

その次は、思い(思考・想像)です。
生涯で、3億回を超える思いの瞬間があります。(*注3)

ことばは、思考や記憶の源であり、原動力です。
ことばが心の働きをつくります。

ただし、膨大な量のことばのすべてが資源というのは少し乱暴ですね。
なんでもかんでも、資源になるわけでありません。

シリコンがコンピュータのチップになるには、資源が精錬されているからです。
たくさんあるだけではなく、利用・活用できること。
つまり、取り出して、ふるいにかけ、他ではできない性質を抽出すること。

いちばんぴったりのアナロジーは、心の中のことばです。
内語(Inner Speech)を取り出すこと。

内語は、人間の思考、出し入れしているセリフの1/3を占めると言われます。
学習にも、記憶にも、そして自己の修練、自覚にも。

内語の大半は、じぶんに関係することです。
とすれば、いかに内語を声に出して、取り出し、それをまた身につけることが重要か、ということになります。

エンパシームは、そのためのしくみです。
そのような場と時の流れをつくり、声をカタチにすること。
それが、あなたの最も大切な「天然資源」です。

エンパレット「インナースピーチ 心の中のことばを抽出する(7回シリーズ)につづく。

インナースピーチ 心の中のことばを抽出する(1)思考を形づくる内語

出典・参照:坂口立考「海の宮」『共感の精錬』現代テクノロジー、および以下のエンパレットなど

(*注1)1ナノメートルは、10億分の1メートル。1秒間に何十億回も計算できるプロセッサーは、あまりにも高速なのでたくさんのことをいっぺんにこなせるように見えます。

(*注2)1分に15回、80年で計算すると、6億回の空気の出し入れ運動。

(*注3)現代生活におちて、脳は1日に約15万の単語を処理している。短いフレーズ、セリフが3万回出入りしている。このうち、無意識的あるいは漠然としたイメージもふくめ、みずからの思考、想像と呼べるものがおよそ1/3。1日に10000個、1分間で10個ほど。さらに、これらの言語的きっかけに対して、後から内語によって、意識化、言語化できるものが全体の1/3ほどと推定される。1分間に2-3回。生涯(80年として)に積算すると、1億回にのぼる。それだけの回数、何らかの内的対話を行っているにもかかわらず、私たちは心の中のことばに無頓着である、ともいえるだろう。

ことばは寄りそいあう① [言語の本質はつながり]を参照。

Inner Speech 心の中のことばを抽出する(1)思考を形づくる内語(内語の頻度回数については注を参照ください)

共感の精錬 (8) 現代社会の過剰がもたらすもの

共感の精錬 (9) 共感の力と本質的な問い

Self-Talk(ポジティブ思考よりも、じぶんに気づくこと)