Empathemian, Stevens Creek Reservoir

We live together, mutually.(共に生きている。互いに支えあって)

花は昆虫のために、昆虫は花のために。
花は昆虫と共に、昆虫は花と共に。

両者は、互いの思いをかなえあうことで、共に進化しました。

花は、蜜を出し、ミツバチの食糧を支えます。
ミツバチは、花のタネを運び、花のいのちをつなぎます。

ともに「いのちをつなぐ」営みを助けあっています。
お互いがあるからこそ、じぶんのいのちをつないでいくことができます。

ミツバチが舞い降りる空間。
蜜を吸い、花粉をまとう空間。
ほんの数秒で吸い込めるように。互いによりそっています。

自然・環境が生命体に与える力、意味をアフォーダンスとよびます。
アフォード(afford)とは、手助けする、与える、しやすくすること。できるようにする、という意味です。

空気は、あらゆる生命体にとって、生きるという行動をアフォードしています。
・ミツバチが飛び回ることも
・花が揺れることも
・花の香りや花粉を飛ばすことも

花とミツバチの協働空間

We are working together without even knowing it.(じつは、共に働いている)

人間にとっても、おなじです。
空気があるから、呼吸ができます。
空気があるから、声でことばを紡ぎ出すことができます。

アフォーダンスは「自然・環境が人間に与えるもの・こと」
人間の動作、行為を誘い、促し、実現させてくれる条件を備えたもの。

・トレイル(山の路)は、歩いて登ることをアフォードする。
・紙とペンは、ことばを書きつけることをアフォードする。
・静穏は、心を落ち着かせ、ふりかえることをアフォードする。
・その状態、その環境、そのものがあるから、できる。

エンパシームとつくるアフォーダンスで生まれる「じぶんのデータ」が意味をつくる

ふだんのものの見方を反転させてくれます。
というより、これまでの、世界の見え方が、一方通行の、固定されたものであったことに気づかされます。

ただし、このように言う時、ひとつ、忘れられがちなことがあります。
アフォーダンスは相互作用。じぶんひとりではなく、相手との協働だということ。
場と時間をわかちあい、互いを助けあうという関係の中にアフォーダンスは生まれます。

エンパシームというアフォーダンス

エンパシームは、静かにすわって、間合いをいれ、ひと息ごとのことばを紡ぎやすくします。
くりかえし、ふりかえり、つながりをつくるプラクティスをしやすく、続きやすくします。
ことばひとつに、直感がひらめくように、それを後からたどり、活かせるようにします。

身のまわりの空気と共にエンパシームをつくる時、じぶんも周囲の環境に、あるものを与えています。
それは、コンピュータ(という計算の得意な相手)を通して、その場のデータを残せることです。
環境とじぶんによる、じぶんふるまいデータ。

人間だけが助けられるのではなく、人間も役立てる。
データということばは、本来、与えられたもの、という意味です。
数字にすればデータ、なのではありません。

アフォーダンスは、人間にとっての意味や価値だけでなく、相手である自然環境に対して、人間であるじぶん自身のふるまいを通して、環境と共に生み出しているものがあります。(*注1)
見えないけれど、生まれでてくるものを捉え、抽出し、利用できるものがデータです。(*注2)

じぶんがふるまうことによって、有意な統計データを生み出すというアフォーダンス。
花とミツバチが協働で空間・時間をわかちあい、お互いの力になるように、
人間も身の回りの環境から手助けをもらいながら、同時に、身の回りの環境、そこからつながる世界に対して、じぶんの力を授ける。
私たち人間には、そのように考えられる共感の力が備わっているのです。

出典・参照:佐々木正人『アフォーダンス』、以下のエンパレットなど

(*注1)ことばは、声の身体運動。声がことばをアフォードします。ひとつの声セリフには、意識では捉えられない細かさ、速さの動きがはいっています。それは、100ミリ秒という、意識では捉えられないきめ細かさ、マイクロアクションの単位です。それを、だれもが、おなじ環境、おなじ作法、日常的に、継続的に、利用できます。おなじ記録・表現で、膨大な数のデータとして統計的に分析し、差分や変化を比べられることで、じぶんのふるまいの変化やプラクティスの上達がわかるのです。

(*注2)データの意味ついてのエンパレット。

ハロー、リトルデータさん

アフォーダンスについてのエンパレット:

相手と共に紡ぎ出すことば (身のまわりの時間と空間のアフォーダンスによって)

その場になれば、思い出す。

「姿勢」が考えをつくる

Affordance