Empathemian
『Water is not just H2O』

Fun to imagine the truth of water.(水の真実を想像する愉しみ)

旱魃で深刻な水不足を抱えるカリフォルニア。
あらためて、水の大切さを実感します。

水なしに生きることはできません。

でも、ふだんはすっかり忘れています。
水も、空気も、太陽の光も、大切なものほど、忘れています。

水の化学式は、H2O。
地球に存在するH2Oを、水と呼ぶ。

いいえ。「水=H2O」ではありません。

水という現象、ぜんぶをひっくるめて「水」と呼びます。

「水=H2O」は、科学の約束(ことば)であり、範囲を絞った概念です。

私たち・いのちにとって、水は単なるH2Oではありません。

人間がひとりで生きていないのとおなじように、水もひと粒ずつではありません。
水分子ひとつひとつは動いており、つながりあっています。(*注1)

「H2Oの分子はみなおなじ」ではないのです。
ひとつひとつがつながったネットワークの中で起きている現象が水。

でも、ふだん、それを目で見ることはできません。
想像して、見るのです。

Empathemeian『Water is wide』

人間の体の約60%は水。
腎臓で「ろ過」しながら、体内の水を1日6回くりかえし使っています。

「体に取り入れる量+体内で生じる量」=体から排出する量 (1日約2.5リットル)

体内の水の70%は細胞内にあります。
ひとつひとつの細胞は、小さな海なのです。

Water dissoves.(水の特徴は、溶かす力)

水は最も溶解力のある液体です。
水は物質を溶かし、じぶんのネットワークの中に包み込みます。

海水には、60種類以上の元素が溶けていると言われます。
体の細胞の中には、ミネラルや微量の金属が溶けています。
水を媒質にして、酸素反応など、生命に不可欠な働きが起きるのです。

藤田紘一郎さんは、こう言います。

「羊水のなかで成長した人間の胎児は、十月十日の間に、35億年間の生物の進化を体験して生まれてくる。その進化の場として海水と同じ成分の羊水が必要だったのである。鳥や昆虫などの卵のなかの体験も、植物が実を結ぶ子房のなかの液も、やはり海水に似たミネラル比率であることも納得ができるだろう。海こそがすべての生物の誕生の場であったからである。」

海水と生物の体液のミネラルバランスはおなじ。
細胞は、文字どおり、小さな海なのですね。

ひと口ごとに味わうことで、想像は深まります。

雪どけの水は、種子の発芽を早めたり、ひなの成長を早めたりするといわれます。
ほどよいミネラルを含んだ、水全体の包容力。
私たちは、じぶんの内も外も、水のネットワークを生きています。

Fun to Imagine(5) 水のネットワーク②へ

出典・参照:上平恒『生命からみた水』、藤田紘一郎『水の健康学』、以下のエンパレットなど

(*注1)細胞内の水分子は、10のマイナス11乗分の1秒ほどの、運動状態にあります。

水滴のじぶん

共業(ぐうごう)[すべてのいのちは共に生きている]

水の作法 [手のかたちが覚えている]