You are what you do routinely.(日課がじぶん)
ルーティンということばを聞いたことがありますか?
ルーティンはものごとを身につけるための必要条件です。
ルーティンのない学びはありません。
ただし、ルーティンがあるというだけでは十分ではありません。
ルーティンを身につけるための、身体「作法」がいります。
いつものように、のび太とドラえもんの対話形式の3回シリーズでお届けします。
のびた:ねぇ、ルーティンって何?
ドラえもん:毎日、決まってすることだよ。
の:習慣のこと?
ド:習慣っていうと幅広いよね。もっと短い時間でする、具体的な行為。日課。
の:毎朝、歩くとか、寝る前にストレッチするとか?
ド:何をどうする、というやり方が決まっていて、あれこれ考えずに行動できること。
の:それがルーティンなの?
ド:ルーティンということばはいろんな分野で使われるけど、ルート(route)とおなじ語源のことば。
の:あーそうか。「行動の路」っていうかんじ?
ド:うん。いつもおなじ場所、おなじ時間、おなじやり方、っていうふうに、手続きに形式がある。
の:形式?
ド:そう。作法があるってこと。
ルーティンの力
の:ルーティンにすると、どんないいことがあるの?
ド:長生きする人には、ルーティンにしているものがあるって話があるよ。
の:ルーティンをもつと長生きできるの?
ド:長生きするための必要条件のひとつ。でも、十分条件ではないよ。
の:ルーティンがないと長生きしないってことか。
ド:たとえ、身体に悪いと言われるものを毎日取り続けても、100歳以上生きている健康な人たちがいる。
の:へぇー、そんな話があるんだ。
ド:ウイスキー、タバコ、アイスクリーム、ベーコン。不健康な習慣を毎日続けているにもかかわらず、だって。
の:そういうものを食べたから、長生きしているんじゃないよね。
ド:そういう人たちもいる。大事なことは、ルーティンをもっていたことが大事。
の:規則的に暮せばいいってことなんでしょ?
ド:というより、心身を生き生きとした状態に保つルーティンってこと。
の:「おたのしみ」を持つってことかな?
ド:そうなんだろうね。生活の中にリズムができるような。
ルーティンにしないとできない
の:そんないいことなら、みんなやればいいんだよね?
ド:でも、頭で考えているだけだと身につかないよ。
の:どうして?
ド:いろんなことで頭がいっぱいで、ルーティンを忘れちゃう。
の:たしかに、そうかな。ぼくなんか、すぐ忘れちゃうよ。
ド:でしょ。それだと、ルーティンにならない。
の:じゃ、どうしたらいいの?
ド:作法。「身体の作法」になっていないと、ルーティンにならない。
の:ふーん、でも頭で考えないと、ルーティンにならないんじゃないの?
ド:そう思っちゃうところが落とし穴。
の:えー。もったいぶらないで教えてよ。
ド:のびちゃんも、今、言ったよね。忘れちゃうって。
の:うん。覚えている間はいいけど。毎日あれこれ忙しいから。
ド:そうでしょ。
の:それに、宿題やらなきゃって思っている所でママがうるさいから、やる気がなくなるんだ。
ド:そうやって、のびちゃんの限られたエネルギーはすぐなくなっちゃうんだよ。
の:作法があれば、省エネになるんだね?
ド:そう。ルーティンが大切って話はみんな知ってるけど、具体的な作法が肝心なんだよ。
の:作法があれば三日坊主にならないの?
ド:三日坊主になるのは、意志が弱いからじゃないよ。
の:えー!早く言ってくれたらよかったのに!
ド:まずは、小さなルーティンから。
の:でも、よかったー。よーしやるぞー。ルーティンさん、よろしくお願いします!
ド:あのさ、のびちゃん、それはよかったんだけど。
の:ん、何?まだ何かあるの?
ド:ところで、何を身につけたいんだっけ?
ルーティンのサイエンスとアート ② 間違える・うまくいかない体験こそ へつづく
出典・参照:『修養トレイルガイド』、Angel Iscovich、Joe Garner、Michael Ashley 『The Art of Routine: Discover How Routineology Can Transform Your Life』 (邦訳:エンジェル・イスコビッチ『ルーティンの極意』)および以下のエンパレットなど