山鳥重さんは、脳神経科学の知見と体験から、このように言います。
「日常生活には、さまざまな「気づく」がありますが、どれも「じぶんの心の変化」であることが共通点です。気づくとは、じぶんの現時点での、こころの変化を検出するこころの働きのことです。意識するとは、現在のこころの動きに影響を及ぼし続けるなんらかの思いへの「持続する気づき」です。」
「私たちは、生まれてから今にいたるまでの、意識されずに経験されたものをすべて、記憶という形でこころに蓄積しています。一回限りの、常に新しい経験をこころはすべて記憶しているのです。意識されない心理過程も、行為として運動化(表現)されます。いったん思い出された出来事は、その時点で「今」の出来事(今の意識内容)の一部となります。」(*注1)
いま時点でのじぶんの心が、じぶんの心の状態の変化に気づく。
こころとは、「じぶんでじぶんに」むきあう、という、じつに不思議な現象です。
大半は、じぶんで気づかず、気がつかないままでいる、という現象。
ふと、気づいて、気づかないことに気づけるようになる、という現象。
ほとんどは、意識されない記憶にある。
だから、じぶんでじぶんを探索する働きがいるわけです。
その働きの核心は、「じぶんでは気づいていなくても、じぶんのふるまいにあらわれる」ことです。
「意識されずとも、身につけている心理過程の記憶が再生される」という働き。
じぶん自身をふりかえり、気づこうとする「思いと姿勢」が、その働きを支えます。
つまり、気づくプラクティスそのものが続くことです。
「気づき」が起きるためのプラクティスとは?
要点を、もういちど、整理してみましょう。
・興味や関心を向けていることの中に、気づく可能性がある。
・気づけるような下地をつくる。(気づきが起きやすくなる環境)
・じぶんひとりでは気づきにくいので、他者のフィードバックに心をひらく。
・じぶんが気づいていないことも、じぶんのふるまいに現れている。
・フィードバックをじぶん自身の内省(セルフ・フィードバック)につなげる。
・いきなり、意識して何かに気づけない。後からふりかえる習慣を身につける。
・心の中に、ふりかえる先の「じぶんの姿」が必要。(それと照らし合わせる)
・「なりたいじぶん」への思いと姿勢を身につける(持続する習慣づくり)
気づきが起きやすくなるように。
自然に、みちびかれていくような、方向づけ。
「じぶんは気づいていないかもしれない」ということを、思い出すような、流れがいるわけです。
「じぶんが、みちびかれるような」しくみ、あるいは循環をつくるのです。
みちびくガイドがいります。
「みちびく」とは、文字どおり、そこへつながる「
エンパレットは、気づく習慣をつくる案内役です。
・気づきの素材を提供し、あなたがじぶん自身をみちびくためのツール。
・じぶんに照らしあわせたり、結びつけて、self-feedbackをうながすストーリー
・定型のストーリーが、エンパシームをひらく手元に届き、数分のじかんできっかけをつくる。
・検索、リンクを利用して、ひらめきをうる。
エンパレットを検索する「ことば」を思いつく時に、まだ気づいていない、未知のことがらに出会うチャンスが生まれます。
新しい知識をうる、というよりも、あなたが、気づかずにもっている「じぶんのストーリー」に気づく、鏡のような働きです。
出典・参照:山鳥重『気づくとはどういうことか?』、『修養トレイルガイド』、以下のエンパレットなど
(*注1) こころは、脳神経の物理的な過程から、同時に併発する心理過程です。脳神経の働きのしばりは受けていますが、独自の原理をもった「創発」現象です。
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「英プラを詳しく知ろう ⑤ 言語と音声のサイエンス』「気づきの本質から」