Empathemian『心の馬と』

Nurture your mind.(心を養おう)

「問題」は解決すべきもの。
私たちは、そのように習ってきました。
なので、問題に直面した時に、解決するための知識を探しにいきます。

でも、いくら知識を集めても、解決できないことがあります。

たとえば、「悲しみ」は、解決することはできません。
悲しみ自体をなくしてしまうことはできないからです。

死別や離別の悲しみは、「解決」ではなく、克服するのです。
悲しむじぶんが、心のハードルを乗り越えることです。

克服とは?
ハードルを乗り越えると言っても、
それは、じぶんの心と戦うことではありません。

悲しみの克服は、悲しむことからです。
悲しみの大きさと深さで、生きていることのありがたさに気づきます。
心の存在のありがたさに気づきます。

『スーホの白い馬』というモンゴル民話の絵本があります。

大切に育てた白馬を理不尽に奪われたスーホ。
体に矢を射られ、瀕死の状態で白馬は戻ってきたものの、翌日死んでしまいます。
が、悲しみにくれるスーホの夢に白馬が現れます。
そして、自分の体で楽器をつくるようにと、スーホに告げます。

この世のいのちはなくなったけれど、
楽器になり、音色になって、スーホと共に生きます。

悲しみから生まれた白馬。
モリンホール「馬頭琴」と呼ばれる楽器と共に。

私たちは、人間であれ、馬であれ、ものであれ、
「こころの世界」で生きています。

解決できない世界だからこそ、
克服するという知恵を身につけます。

You are not alone.(共にいるよ)

そもそも「解決」は、できない。
でもかならず「克服」できる。

みな、おなじです。
そう思えるだけで、克服されます。

心から、ことばを肉声に出してみることです。
心の中に、みなが生きていることを。

出典・参照『スーホの白い馬』、以下のエンパレットなど

「一度の実感で気づく「存在のありがたさ」」

「いつでも会える [共に感じる世界]」

「共にいるよ。[井上円了のこころ]」

「スーホの白い馬」