I’m energized. (元気がわいてくる)
共感とエコノミー?
エコノミーって経済?
何か関係があるの?
経済といえば、モノやお金の流通、商売や景気、社会のしくみの話。
それらもみな、人間の感情や行動によってもたらされます。
近代経済学の父・アダム・スミスの著した『道徳感情論』に、こうあります。
「人間がまず隣人の、次に自分自身の行為や特徴を、自然に判断する際の原動力を分析するための論考」という副題がつけられている通り、人間の心の研究でした。
スミスは、こう記しています。
「他人が心を動かされていることを知る方法は、同じ状況で、自分が何を感じるかを想像する他はない。
人間ができることは、共感を通じて、他者の感情を察することだけである。
サーカスなどを見ていると、まるで演技者と同じ動きをしているような気持ちになり、
一緒に身をよじったり、バランスをとったりする。人間は生きていく中でこのような性質を自然に身につける。」
「共感」をもとにして、社会秩序を確立することを理論化したのが、『国富論・国の豊かさと本質についての研究』です。
人間の行動・心理や社会活動はとても複雑です。
それでも、経済活動の基礎は、人間の感情や行動にあります。
共感はエコノミーの要素
一方、エコノミーは共感の要素でもあります。
なぜかというと、人間の思考や行動は、心身・環境の影響で変化するからです。
脳は身体の2%ほどなのに、全体の20%のエネルギーを消費するといわれます。
疲れている時は、思考や行動のエコノミーが変化しています。
エネルギーをどれだけ上手に使えるか。
ひとりの人間の心もまた、エコノミーが大切なのです。
Energy matters for empathy.(心のエネルギーは共感に影響する)
出典・参照: アダム・スミス 『道徳感情論』、以下のエンパレットなど
「心の溝を克服するために (2)」(意識のエネルギーは枯渇することについて)