Try this. See it the other way around. (反対向きに見てごらん)
のびた:だって、きらいなんだもん、ピーマン。
ドラえもん:どうして?
の:だってまずいよ。小さな頃からずっと。
ド:ずっと食べてないのに、ずっとまずいの?
の:そう。
ド:そう思い込んでるだけじゃないのかなあ。
の:昔に原因があるから変わらないよ。
ド:その昔のピーマンの味は、のびちゃんの舌にももうどこにもないんだよね。いまも。
の:あるある!頭の中に!考えただけで、まずい!
ド:いつもまずいまずいって言う癖のことだね。
ふだん、私たちは、こんな考え方に慣れています。
何かの原因があり、その原因によって結果が引き起こされる、と。
スピノザはこう言います。
原因は、 結果の中で自らの力を表現するもの。
どういう意味でしょうか?
ひとつの出来事は、いろいろな要因が組み合わさっている。
それなのに、私たちは、結果から判断して、原因を定める。
あとから「原因→結果」のように考えるクセがついているというのです。
じつは、原因は後から、自分でつくっているともいえるわけですね。
ふだん、「考え方を変えよう」とするとなかなか大変そうです。
が、原因と結果をさかさまにしてみればよいのです。
そうすれば、やさしくなりますね。
このエピソードはその一例です。
いま、やさしくなる、と言いました。
簡単になる、という意味に加えて、もうひとつがあります。
それは、文字どおり、やさしく接すると言う意味です。
共感は、物事や相手と関わり、結びつける想像。
「ダメだ、きらいだ、関係ない!」
そんなふうに決めつけず、少しやさしいまなざしを向けるだけで変わります。
それは、共感の心。
共感とは、じつは、考え方をぐるりと入れかえてみる、強力な方法なのです。
Try this. See it the other way round. (反対向きに見てごらん)
出典・参照:バールーフ・スピノザ『エチカ』、以下のエンパレットなど
「Try it the other way around ① くるくる反転」