しあわせる

「しあわせ」ということばについて、玄侑宗久さんは、このように言います。

「日本語に「しあわせ」という言葉がありますが、そこには『荘子』や禅の受け身をよしとする考え方が強く生きているように感じられます。

「しあわせ」は、奈良時代には「為合」と表記しました。「為」は「する」という動詞ですが、その主語は「天」です。天が為すことに合わせるしかない。それが「しあわせ」という言葉の由来です。この言葉はほぼ「運命」と同じ言葉でした。

「しあわせだなあ」というのは、思わぬことが起こったけれど、なんとかしあわせることができてよかった、ということ。自分の意思で事前に立てる計画とは、無縁の世界、完全に受け身の結果なのです。」

結びつけることば

アルバート・アインシュタインのことば、E=MC^2
宇宙のことば。数学のことば。もちろん、人間のことばです。人間がみる世界をあらわすことば。

数式に使われる等価記号「=」は、「イコール」と呼び、何かと何かを結びつける役割を果たします。このことばが、何を意味しているかといえば、「物質とエネルギー」は「光が進む速さ」の二乗に比例して「入れかえ」ができるということです。

と聞いて、「あー、科学の説明ね」とやりすごさずに、アイシュタイン博士の「声ことば」を受け取ってみましょう。物質は「もの」、エネルギーは「こと」だとして、それらは一見別々の、ちがうものだと思っていたふたつの物事が、実は入れ替え可能な「ひとつのおなじ物事」として結びつけられるよ、と語っているのです。