共感・ケア・慮る

佐伯胖さんは、保育とは、従来の定義である「子どもをケアすること」ではなく、「子どもがケアする世界」をケアすることだと説きます。「子どもをケアする」という「上から目線」に聞こえるような一方的な行為ではなく、相互的かかわり、共感的なかかわり、相手に対して「共感しよう」という姿勢で関わることが大切である、と。

「共感とは、自分自身を空っぽにして、そっくりまるごと、相手の中にはいってしまうことです。相手が見ているモノ・コトを、相手の立場と視点から見て、相手のふるまいに、自分自身もそうしないではいられなくなり、思わず自分もそのように「ふるまいそうになる」ことです。

共感こそ、すべての源泉

佐伯胖さんは、こう訴えます。
「世の中には、あなたの助けを待っている人がたくさんいます。あなたが何かをしてあげることで喜んでくれる人がいるのです。そういう人たちに目を向け、「何か」をしてあげてください。

あなたの周囲にいます。それはあなたに「勉強しろ」とせまる人とはちがい、ただあなたが身を向けてくれるのを待っている人たちです。それは、実は世界中にいるのです。私たちはそういう人たちに囲まれ、期待を寄せられ、じっと待たれているのです。

そういう人たちに共感することで、私たちは「学び」に駆り立てられるのです。これはあなたが誰かの「役に立つ」ことを意味するとはかぎりません。自然界の物事が、あなたによって「知られること」を待っているのです。そういう世界は、あなたが心を寄せて、「いまだに知られていないこと」を「知られるように」してくれるのを待っているのです。