縁の路へ

その声は、とても穏やかだった。
「このまま、ずうっと続いていくみたい。生と死の境目がある、という気がしなくなったの。このように生きて、このまま続いて、死ぬのだろうなって。」

「生きているように、死も続いているんだね。メメント・モリって地続きだったんだね。」私はそうこたえて、「生の中に死があり、死の中に生がある」ということばを思い出した。十年前、姉が突然のように他界した時から、他者の死が心の中に生きるという実感を抱くようになった。そしていま、母の存在ともじぶんは、地続きであるという気がする。

 

心拍停止の状態が十五分続いた救命室から、母が生還して三年半になる。あの時以来、「毎日が贈りもの」ということばは、家族の合言葉になった。