Empathemian, 『大と小の連携』

The large and the small work together. (大と小の連携)

耳と目の結婚(3)で、右脳と左脳のお話をしました。
脳は、部分単独ではなく、全体の連携で、ものすごい働きをしています。

もうひとつ、大事なことを付け加えましょう。
それは、大脳と小脳の連携です。

小脳は大脳に囲まれた小さなかたまり。
挿絵の、いちばん下の青い部分です。

名前が「小脳」と呼ばれるかといって、役割が小さいわけではありません。
ちなみに英語では、大脳は、Cerebrum。小脳は、 Cerebellumと呼びます。

小脳の大きさは脳全体の10%ですが、ニューロンの数は1000億と推定されます。
大脳は140億ですから、はるかに量が多い。

小脳は微細な身体の動きをつかさどります。
大脳皮質から出された指令にそって、身体の個々の筋肉の動きの調整するのが小脳です。

小脳は、言語についても重要な働きを担います。
発話する働きのすべてに活躍しています。

Act of Practicing

The whole is greater than the sum of its parts.(全体は部分の総和よりも大きい)

ことばの生成は、以下のメカニズムに大別できます。

・Actuator(肺からの呼気)
・Vibrator(声帯の振動・発声)
・Resonator(口の中の共鳴)
・Articulator(舌、歯、唇などを使った発音)

これらの微細な身体運動をつかさどり、また、動きの記憶もしています。

言語の中核には、リズム感。
小脳は動きのタイミングと精度、言語のリズムを調節します。
1秒内の細やかな時間処理は、脳の複数の部位にまたがる複雑な機能ですが、小脳はリズム感や、予測にも能力も関与しています。

外国語学習というと、とかく、覚える勉強が中心となりがちですが、
本質は、瞬間で処理するワーキングメモリから、短期・長期記憶にまたがる身体運動の営為です。

Empathemian,『場面を想像すると』

Replicating. Acting. Evidencing. Sharing. (ならう、演じる、確かめる、はげましあう)

習ったようにはなかなかできない、英語の音節リズムや音素の発音ですが、
小脳をトレーニングする方法あるでしょうか?

あります。
それは、想像することです。
場面をイメージすること。
セリフを演じること。

感情を込めて話すとき、私たちは無意識にピッチや抑揚、強弱が変わります。
大脳の感情・認知の領域と小脳の運動制御が連携しています。

つまり、気持ちをこめることで、声帯の振動を変えているわけです。
このような音声における微細な変化を通じて、小脳の働きを間接的に鍛えることができます。

その場にいるつもりになってセリフを演じると?
声帯の振動(ピッチ)をコントロールするトレーニングになるわけです。

「耳と目の結婚」シリーズと関係ありますか?
あります。

絵をみて想像を膨らませ、声でセリフを演じること。
耳と目の連携を強める練習なのです。

話すと聞くは表裏一体の出来事です。
話すとは:音列の身体演技(姿勢・息・声・身体)
聞くとは:音列の脳内復元(音節リズム、音素、イメージ)

記憶を介しながら、身体運動の熟練度を上げること。
その秘訣は、実はシンプルなスイッチを入れることにあります。。
そのスイッチとは、そのつもりなってセリフを演じることです。

出典・参照:、英語トレイルガイド、以下のエンパレットなど

耳と目の結婚(1)[スリリングなストーリーの入り口]

耳と目の結婚(2)(言語の出生地)

耳と目の結婚(3)(脳全体を活性化させる)

原理を身につける (1) ことばは〇〇。