The smallest and most practical time unit for life is two seconds.(人生で実用的な時間の最小単位は2秒)
人生の大半をしめる動作は、2秒毎に完結します。
きょうはありがとう。
ごめんなさい。
だいじょうぶだよ。
Let it go.
Can I get help?
You can only change your next action.
発話の時間は、思考の時間。
Imagine your life as a railway like this.(人生をこういう線路に見立てよ)
思考と、意識と、言語の関係について。
ヘレン・ケラーは、『私の生きる世界』の「魂の夜明け前」で、こう書いています。
「わたしの先生が来る前、私はじぶんとして存在していることを知りませんでした。
私は世界ではない世界に住んでいたのです。その無意識の、しかし意識のある無の時間を、言い表すことができません。
私はじぶんが何かを知っているということも、生きているということも、行動しているということも、望んでいるということも知らなかったのです。」
「考える、ということができなかったから、ある精神状態と他の精神状態を比較することもありませんでした。
「わたしが」と「わたしに」の意味を知り、私は何かであることを知ったとき、私ははじめて考えるようになりました。
そのとき初めて、私に意識が存在するようになったのです。」
考えられるとは、じぶん自身を意識できることです。(*注1)
じぶんを意識できるためには、内なることばが不可欠です。
なぜなら、抽象的な概念は、ことばでしか存在しないからです。
そして、内なることばは、バラバラな単語ではなくて、心の中で発話するひとまとまりのフレーズやセリフでできています。
思考するとは、心の中でことばを出すことです。
それらのことばを組み立てること(時には声に出して話しながら、時には文字に書き出しながら)で、思考になります。
長く考えている、と思っていても、思考の単位毎に、脳が働いています。
何も考えていない時でも、思考の単位ごとに、思いが浮かび上がってきます。
むしろ、無意識的に思いつき、いったんでてきたり、ひとまとまりのことばとして自動的にでてくるといった感じです。
2秒ほどの時間で覚え、思い出し、考えています。
だれかの声を思い浮かべて、会話の中のセリフが想像されることがあるでしょう。
夢の中で、じぶんとだれかが話している場面があるでしょう。
それらはみな、心の中も現れる、じぶんのことば(内語)です。
そのくりかえしが、ずっと続いていく、道のりが人生です。
エンパレットシリーズ「Inner Speech 心の中のことばを抽出する」(7回シリーズ)へつづく。
Inner Speech 心の中のことばを抽出する(1)思考を形づくる内語
出典・参照:ヘレン・ケラー『私の生きる世界』、以下のエンパレットなど
(*注1)Alain Morin「意識の分類」より
(1)無意識(環境、自己に対して反応しない状態)
(2)意識(環境からの情報を処理し、注意を向けた状態)
(3)自己意識(じぶん自身の状態に気づいている)
(4)メタ意識(じぶん自身に気づいている、ということを自覚している)