Empathemian『敬天愛人を想う』

Change your measure.(ものさしを変えよ)

敬天愛人けいてんあいじん

「天をうやまい、人を愛せ」
西郷隆盛の座右の銘、と言われます。

「道とは天地自然のもの。
これを行なうのが人間。
従って、その目的は天を敬することである。」

「学問をする目的は敬天愛人。
修養はおのれに 打克うちかってゆくこと。」
(西郷隆盛語録、西郷南洲遺訓より)

相手は、天。

敬天愛人は、偉人の崇高な精神としてではなく、日々のじぶんを助けてくれることばになります。(*注1)

じぶんのものさしではなく、
人間のものさしではなく、
天のものさし。

自分中心のものさしを変えよ。

こういうことです。

自分に起きている問題を解決するのに、自分のものさしで測るだろうか?
われら人間の問題を克服するのに、人間のものさしで測るだろうか?
問題の発生源は、じぶんであり、人間の世界。
つまり、自分のものさし・人間のものさしです。
自分を基準にして、物事を解決したり、自己を克服することはできません。

Empathemian『敬天愛人を想う』

Serve others.(人のために)

ものさしを変えれば、見える世界が変わる。
じぶんの生き方が変わる。

身近な、どんな些細なものごとでも、
煮詰まってきたら、思い出しましょう。
「天」ということばを。
それだけで、気持ちはずっと楽になります。

じぶんの損得利益のために頑張っているのではなく。
自分たちの「幸福」が生きる目的なのではなく。
天のみちびく方向に「しあわせる」のだ、と。(*注2)

追記

このエンパレット執筆中の本日、「敬天愛人」、西郷南洲先生のことばをつねに心に生きた稲盛和夫さんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。

Empathemian『敬天愛人を想う』1975.8.30 Kagoshima

出典・参照:奈良本辰也・高野澄[訳編]『西郷隆盛語録』、『西郷南洲遺訓』、以下のエンパレットなど

(*注1)敬天愛人ということばは、イエス・キリストのことばでもあります。西郷隆盛は、それまでの指針であった陽明学に加えて、西欧の英知も学び取り入れています。自分ものさしで世界を見ない、人を測らない、というすべての人に通じる共通精神があります。

(*注2)しあわせる(しあわせの本当の意味)

宇宙のものさし [じぶんのものさしは?]

「人生の目的は幸福」ではない