It’s wondrous.(すごいふしぎ)
毎プラを続けている享子さんからのお便りです。
「このところ「心ザワザワ」の日々ですので、エンパシームを開けて、じぶんに向き合う時間がとても貴重です。
今朝は秋を思わせる涼しさでした。朝顔の写真見てください。
好みは野性的な小輪ですが、これもなかなか。薄い青は「暁の露」という品種名だそうです。」
おどろきですね。
見惚れてしまいます。
シルクの衣装のよう。
見入っていると、だんだん不思議な気持ちになってきます。
これだけゴージャスな花びらを折りたたむのですよね、夜になると?
折りたたむと言いますが、折って壊れないように、やさしく曲げないといけません。
どうやって?
享子さんは、こんなふうに説明してくれました。
「日本の朝顔は一日花。それどころかもって数時間です。昼になると、たたむというよりしぼんで縮む感じです。(冒頭の写真の)左脇に写り込んでいる、赤みがかって縮んでいるのが前日の花です。」
「前々日くらいの
なるほど。朝顔ひとりひとりに、じぶんの時計があるのですね。(*注1)
大きく開いた花びらをよく見てみると、縦方向に筋が走っています。
無数の繊維。
繊維は管で、その中を水が通るのでしょう。
花びらの根元からの水圧で、曲げを調節しているのでしょうか。
自然の設計原理。
でも、物理的に動くのですから、その手がかりをもとに想像できます。
想像もまた、花びらのようにひらくもの。
花びらを伝う朝露。
水のチカラですよね。
水だけでなく、光も空気も、重力も。(*注2)
虫の力、他の生き物も、周りのチカラすべてと共に。
ところで、花びらの数は?
5枚でしょうか?
たくさん、まとっているようにも見えます。
自然の造形原理。
花びらというと、3枚、5枚、8枚、というふうに、規則性があると言われます。(*注3)
順に重ねていくという自然のルールに身をゆだねています。
We’re not alone.(共に生きている)
みな、ひとりで咲いているけれど、ひとりだけで咲いているのではない。
花の声を聞いて、みて、手に触れて、おどろきやよろこびを伝えあう人もいるのですから。
出典・参照:深水享子さんからのお便りと写真
牧野富太郎『植物一日一題』、高木隆司『巻き貝はなぜらせん形か』、瀧本敦『花を咲かせるものは何か』
以下の花のストーリーエンパレットなど
(*注1)植物の、光周性(Photoperiodism) 日長の変化を感知する性質が知られていますが、おなじ種の花でも、より細かい時計があるのでしょうね。
(*注2)太陽光による時計、気温による時計。地球の動きを感じ取って、その「変化を検知」することが時計になります。数秒単位から、1日ごと、季節ごとの時計など、自然の目に見えない力を利用しています。
(*注3)フィボナッチ数列。インドで「発見」された数列を、13世紀、イタリアの数学者フィボナッチ(本名)が『算術の書』で明らかにしました。フィボナッチ数同士の比率は、1.618034..とどこまでも続く値になります。古代ギリシャ時代にファイと呼ばれたこの比率は、今日は黄金比として知られます。以下のウェブサイトでは、花びらとフィボナッチ数について、踏み込んだ話があります。
大阪大学大学院パターン形成研究室・植物にかかったフィボナッチの魔法