Invention is the mother of necessity.(発明は必要の母)
7月4日は、アメリカの独立記念日(Independence Day)です。
初代大統領ジョージワシントンは、建国の父として知られます。
もうひとつ、ワシントンは「特許のしくみ」の父でもあります。
1790年、パテント(特許)法を成立させました。
個人のアイディアと切磋琢磨を、新しい国を駆動するチカラに据えたのです。
人々の「新しいことを考える」営為。
それを特許システムという「しくみ」にするという考えも、発明的でした。
現在でも、その心は生きています。
発明特許の条件は?
①Novel (新しい考え・新規性)(すでに知られていることではない)
② Non-obvious / Inventive steps (容易に考えだすことができない・進歩性)
③ Useful (産業に利用できる・有用性)
そして、だれもまだ考えていなかった証。(先に申請した人の権利・先願主義)
日本の特許に関するウェブサイトでは、ほとんどが、③ 産業的な有用性から説明されています。
でも本質的には、まず① 新しい考えであることこそ、発明の精神です。
Getting to maybe. (もしかしたら。という未知の可能性に近づくこと)
ところで、タイトル、間違えてませんか?
正しくは「必要は発明の母」でしょ?
いいえ、タイトルのとおりです。
確かに一般的には「必要は発明の母」と言われますが、真実は、むしろその逆なのです。
発明は、必要の母。
発明が必要性を生み出す。
必要なものがわかっていて、それをつくるのなら、発明はいりません。
必要かどうかも、わからない時にこそ、新しく発想するのです。
「もしかしたら」という発想をカタチに変え、具体的な方法を編み出すこと。
そして、その考えを具現化して、そのアイディアを人が使うことによって、それまでになかった利用方法が見つかるのです。
つまり、後から、必要性がうまれてくるわけです。
もちろん、すべての発明が、そうだとは言えません。
産業の役に立つように開発するわけですから。
でも、本質は変わりません。
「もしかしたら、役に立つかもしれない」が出発点です。
英語のInvent(発明する)は、ギリシャ語源のことばです。
ventは、風を表します。
inventとは、中に新しい風を入れること。
わかっていることではなく、わからないことが大切です。
窓をあけて、新しい風をいれるように。
予感やねがいを手さぐりでカタチにするのです。
特許というと、特許侵害で係争といった話を聞くことがありますね。
パテントというと、だれかの独占権利のようにも聞こえるかもしれません。
でも、本来の心は、「こんなことができる、このアイディアをみんなで使ってください」というものです。
必要かどうかではなく、必要になるかもしれない。
「もしかしたら」を、カタチにする。
この考えは、テクノロジーに限らず、日常に活かせるアイディアですね。
出典・参照:以下のエンパレットなど