Output what you input.(入力したものを、出力する)
のびた:ねぇ、ドラえもん。頭をよくする話の続きなんだけどさ。
ドラえもん:えーと、脳の活性化の話?
の:そう。
ド:「山路を登る」話と「静かにすわる」話をしたよね。
の:他にはないの?
ド:あるけど。。
の:もったいぶらないで教えて!
ド:のびちゃん、聞いているだけじゃなくてやってみるんだよ。
の:わかってるよ。で、何?
ド:セリフを覚えて声にだすこと。
の:セリフ?演劇の役者さんみたいに?
ド:そう。ふだん、声にだして話すことばもセリフだと思ってごらん。
の:なーんだ。いまドラえもんに言っているみたいに、でしょ。
ド:ただ話すんじゃなくて、相手とふれあおうとする、ことば。
の:役者さんみたいに台本を読んで、セリフを覚えるのが脳にいいことなの?
ド:大事なことは、 いったん覚えてから、出すこと。(*注1)
の:文字を読まないってこと?
ド:そう、そこが肝心。ひと息ごとにね。
の:ひと息ごと?
ド:ふだん、気づいていないと思うけど、息つぎがセリフの区切れ。
の:あーそうか。
Input what you output.(出力したものを、入力する)
ド:2秒ぐらいの短いまとまりで話しているんだよ。
の:もっと長いセリフもあるでしょ。
ド:あるけど、それも間をいれて、つまり息をついで、話している。
の;ふーん。それで何で頭がよくなるの?
ド:文字に頼らずに、音のつながりを出し入れしているからだよ。
の:音のつながり?
ド:そうだよ。1秒間にいくつもの音をつなげてるんだから。
の:なるほど。出し入れって何?
ド:じぶんのセリフを身体から出したり、相手のセリフを入れたりしているわけ。
の:キャッチボールみたいだね。
ド:そう。音のつながりを入力して、出力して、また入力して、というふうに。
の:それで脳が活性化されるの?
ド:話すこと、聞くことは、全身運動。(*注2)
の:運動なんだ。
ド:それに、じぶんの声を聞くたびに、脳の左右がつながるんだよ。(*注3)
の:へぇー。
ド:セリフっていうのは、じぶんのセリフだけじゃないよね。
の:あーそうか。前後のセリフを覚えていないと、出せないもんね。
ド:そのとおり。セリフっていうのはさぁ、じぶんだけじゃないんだ。
の:うん。相手のセリフとセットになっている、っていうんでしょ。
ド:そのとおり!声にふれるごとに脳は生き生きするよ。
の:それはよかった。でもさ、ぼく覚えてられるかな?
ド:心配ないよ。
の:なんで?
ド:何も考える必要ないんだよ。
の:脳の活性化なのに、考えないの?
ド:身体を動かす時、心も動く。
の:それで?
ド:ほとんど、意識されないし、速すぎで意識もできない。
の:でも脳が働いてくれているんでしょ?
ド:もちろん。だからこそ。無意識の力。
の:無意識の力なの?
ド:そう。
ド:それもあるけど、活性化するのは無意識の中。
の:ふーん。もっと教えて。
ド:わかった。今度ね。
出典・参照:以下のエンパレットおよび『英プラガイド』、Larry & Susan Terkel『Small Change』
(*注1)記憶について
(*注2)声の身体運動について
(*注3)