Empathemian『The other way round』

発明?

じぶんとはあまり関係ないかも。

いえ、そんなことは、ありません。

発明とは、毎日の生活の中で「問題」を見つけることです。

発明する、という意味の英語inventは、「中に入ってくる」というラテン語から来ています。

のびた:ねぇ、ドラえもん、発明って何?
ドラえもん:今までになかったものをつくりだすことだよ。
の:役に立つものをつくることでしょ?
ド:うーん。そうとも言えない。
の:なんで?役に立たないものをつくるんじゃないんでしょ?
ド:うーん。そうともいえる。
の:え?どっちなの?
ド:すぐ役に立つことがわかっているものをつくるのは発明ではないよ。
の:じゃ、どんなものをつくるの?
ド:未来の問題を解決すること。
の:未来の問題なんて、なんでわかるの?
ド:そう、わからない。
の:わからないのに発明なの?
ド:そう。想像はできるよ。
の:じゃ、わかっているんじゃないの?
ド:世の中がそうなっているかどうかは、わからない。
の:いつかはわからないけど、未来の問題を解決することが発明なの?
ド:そうだよ。
の:ドラえもんは未来から来たから、発明じゃないんだね?
ド:あたり。ぼくの道具は、現代だから発明にみえるんだよ。
の:でもふつうの人はどうすればいいの?
ド:さかさまに考えてみることかな。
の:さかさまって?
ド:答えを探すんじゃなくて、問題を見つけること。
の:答えじゃないの?
ド:まだ人が気づいていないことを発見するってことだよ。

リチャード・ワーマンさんは、こう言います。

「レオナルド・ダヴィンチの発明した機械は、つくられたことがなかった。
しかもその多くは、つくっても機能しないことがわかっている。
でも、かれはそこに問題があることにまだ誰も気づいていない分野の問題を解決しようと努力していた。」

Try solutions no one knows where there are even problems.(問題かどうか、だれも気づく前に、先に方法を考えてみよう)

中村雄次郎さんは、このように言います。

「一般的に、発見とは、すでに存在するものを「はじめて見出す」ことであり、発明とは、これまでになかった新しい機械・装置や手段をつくりだすこととされる。しかし、発見において根本にあるのは、ものごとを、ものごとにひそむ諸関係を新しい目でみること、新しい関係性のうちでとらえなおすことであり、そこでは、想像力にもとづく創造性がはたらいている。一方、発明において、それぞれが以前の段階の発明や知見に負っている。組みかえるべき諸関係を十分に知っていなければならない。」

あたりまえに思っていたことや、見向きもしていなかった、
小さなことに目をむけてみましょう。
じぶんの中に、新しい風をいれて。

Create ideas that you can find problems to solve with.(解決すべき問題を見つけるためのアイディアをつくれ)

「考えを発明する③そのつもりになるだけで」へつづく

出典・参照:Richard Wurman『Information Anxiety 2』、中村雄二郎『哲学の現在・生きること考えること』


Richard Saul Wurman