古代インドに「群盲、象をなでる」という寓話があります。
盲人たちは、それぞれ、象の体の一部だけをさわり、象とはこんなものだ、と理解します。
それぞれ、みな正しいのですが、それは全体の一部分です。
エンパシームも多面的で、その使い方、活かし方は多岐にわたります。
ただし、「群盲が象をなでる話」とちがいます。部分ひとつひとつでも意味があり、利用できるからです。
でも、それ以上に、それらをふくめてひとつのしくみであり、思想であり、社会イノベーションです。
エンパシームって何?
(1) エンパシームはコンセプト
・じぶんのふるまいを写す鏡。人間に備わった力「共感(Empathy)」の最小単位という意味あいをこめて名づけられた。
(2) エンパシームはテクノロジー(発明)
・自然な流れで間をつくり、人間の身体動作を単位化して捉える発明特許技術(米国、日本ほか)。登録商標 Empatheme®。
(3) エンパシームはデータ
・呼吸や、間あいで区切りをつけた身体所作を、を共通の形式・単位で記録し、表現したデータ。
・従来は見過ごされてきた、固有の「小さな、じぶん情報」。研究データとしても 活用できる。
(4) エンパシームはメディア
・ひと息ごとに区切られた、数秒の発話音声をカプセル化したコンテンツ。
・人それぞれのプラクティスを共有するメディア。
(5) エンパシームはツール
・じぶんのふるまいを鏡のように(リアルタイムに)映し、また写真のように記録・再現して、後からふりかえる体験・実感・共有のツール。
・学び手、プラクティス実践者、みちびく人、助ける人などをつなぐプラットフォームを形成するツール。
(6) エンパシームはアプリ
・エンパシームファウンデーションが提供する無料のスマホアプリ「エンパシーム」。
・エンパグラフ(データ)、エンパレット(コンテンツ配信)、エンパノート(コミュニケーション)を含む。
(7) エンパシームはメソッド
・自然な流れで「間」をつくる身体作法によってエンパシームを生成し、それをデータおよびメディアとして利用することで、日常生活の中に習慣的な行動(修養)が循環するしくみにかえるメソッド。
(8) エンパシームは社会イノベーション
・だれもが小さな間をつくってじぶんをふりかえり、人とわかちあうことで、習慣づくりの環境とメソッドが身近な社会を助けるイノベーション。
・この全体的な活動を実現する方法・しくみの上で、プラクティス、ケア、コミュニケーションの社会的イノベーションになる。
そして、「だれもが、じぶんのプラクティスで参加し、貢献できる」社会イノベーションのフィロソフィーです。
出典:坂口立考『共感素がひらく』、『英プラガイド』、『毎プラガイド』