習慣を身につけるとは?
習慣を身につけるには、まず身のまわりの環境を整えることです。
ジェームズ・クリアさんは、習慣づくりとは、4つの要素からなるステップで、行動を促すようなしくみをつくることだ、と説きます。
(1)きっかけ(それを見たらすぐ思い出せるような、はっきりとした合図)
(2)行動したくなる魅力(感覚に訴えるしかけ)
(3)それに反応した行動(かみくだかれた行動がおきやすくなる工夫。抵抗になるものをへらすこと)
(4) よろこび(うれしい、たのしいという実感)
「習慣そのもの」を身につけることはできません。小さなアクションにかみ砕いて、具体的な行動がおきるようにすることです。
身につけることができるのは、身体動作だけです。
それも、くりかえすことのできる動作、ふりかえって自覚することのできる、行為だけです。
それらの体験がつながり、毎日循環するループになり、そのことに後から気がついたときに「習慣」になっている、と呼ぶのです。
小さな習慣とは?
世の中には、数え切れないぐらいたくさんの「習慣づくり」の啓発本があります。
そのほとんどに「小さな習慣」の積み重ねがカギである、と書かれています。
クリアさんの「アトミック・ハビット」でも、毎日1%の改善がかけあわされていくと、長期的にその効果は驚くほど大きなものになる、と。
とても魅力的ですが、本を読んだだけでは、もちろん、小さな習慣は実現はしません。
・具体的にどんな身体動作をすればよいのでしょうか?
・現実の日常生活で、実現可能な方法、回数はどれぐらいでしょうか?
・どのようにくりかえし、ふりかえったらよいでしょうか?
・その様子を見えるようにして、測ることはできるでしょうか?
・おなじ心の人とわかちあって、よろこびを共有できないでょうか?
やみくもにがんばろうとしても、しくみになっていなければダメ。ならば、そのしくみを、ひとつひとつの小さなアクションの流れにするには、何をしたらよいのでしょうか。
啓発本を助ける
エンパシームメソッドは、啓発本を読んだだけでは、できないことを手伝い、助けるために編み出されたメソッドであり、しくみです。
自然の流れでくりかえせない動作や、後からふりかえることのできない体験を習慣にするのはとてもむずかしい、という原点から出発しています。
エンパシームは、具体的な、数秒間の小さなアクションをうながし、じぶん自身を身のまわりの環境のなかで働く「しくみ」に変えます。
クリアさんの言う4つの要素を、具体的なプラクティスとして実現できるメソッドであり、また方法とツールを無料で提供します。
・エンパレットは、プラクティスのきっかけをつくり、みちびくはたらきをします。
・エンパシームは、その行動を共にし、あとで振り返るように残します。
・エンパグラフは、それが目に見えて、習慣を育てるたのしさに変わります。また、数えたり、測ったりしてじぶんをふりかえることができます。
・エンパノートは、じぶんと他者のことば、体験をつなぎ、わかちあえる場をつくります。
かみくだかれた身体動作を、見えるように写して、ふりかえり、測れるようにすること。それを分かち合えるようにすること。じぶん自身をそのしくみにすることです。
じぶん自身がひとつの「しくみ」にならないと、習慣はできない。しくみがあれば、すべてうまくいくでしょうか。
このエンパレットは「よい習慣をつくる、いちばん肝心なこと」について、全8回にわけてお届けします。
出典・参照:Jame Clear 『Atomic Habits』、坂口立考『毎プラ』ガイド